『他校の氷姫を助けたらお友達から始めることになりました』 皐月陽龍
2025年 07月 17日
普通の高校生・海以蒼太が乗る電車には、他校の美少女が乗っていた。
冷たい態度で他人を寄せ付けない【氷姫】──東雲凪。
それが彼女の名前。
ある日蒼太は彼女が痴漢に遭っているのを目撃し、勇気を振り絞って彼女を助ける。
その次の日、彼の前に彼女が再び現れて……。
「電車に乗っている間、傍にいて……欲しいんです」
友人がいないという彼女のお願いを断る事が出来ず、蒼太はそれを引き受ける。
彼女にとって初めてで、たったひとりの"お友達"になる事を。
「一番は海以君って決めてましたから」
世界でたったひとり、自分にだけ甘く溶けていく他人に冷たい【氷姫】。
蒼太は彼女と"お友達"であり続けられるのか──。

この場合、本当にクールで冷淡な場合もあれば、単に人付き合いが苦手で塩対応になってしまうだけという場合もあるけれど、凪の場合は後者。
そんな彼女が蒼太と出会って一気にデレて、イチャイチャし出すというお話。
蒼太には瑛二と霧香という親友カップルがいて、凪には光という友人がいて、二人を優しく見守り、時には背中を押してあげるという役回り。
凪は実業家の令嬢だが実は養子だという複雑な家庭環境故の悩みがあり、蒼太も過去の人間関係で軽いトラウマを抱えていたりするのだが、どちらも友人たちと双方の両親が見守ってくれることで乗り越えていく。
正直言うと人間関係やストーリー展開は「どこかで聞いたような」という部分が多いのだが、それでも主人公をはじめメインとなるキャラクター造型が魅力的なので、ここまで愉しく読んできた。
小説版は3巻まで刊行。
1巻の怒涛の展開に比べると、2巻3巻は主人公たちがイチャイチャしてる分時間の経過が遅くなっているのだが、そのゆったりまったりした様子が微笑ましいので問題ない。
気になるのは3巻が「これで完結」とも受け取れる終わり方をしていることだが、小説版とは些か異なる展開のWEB版は時系列的にもう少し先を描いているし、本編のコミカライズに続いて瑛二と霧香を主人公にしたスピンオフ・コミックの連載も始まったので、まだまだ終わりじゃないと信じている。





