『この夏の星を見る』(2025)
2025年 07月 21日
2020年、コロナ禍で青春期を奪われた高校生たち。こんな素敵なコンテストがあるんだなあ。
茨城の亜紗は、失われた夏を取り戻すため、〈スターキャッチコンテスト〉開催を決意する。
東京では孤独な中学生・真宙が、同級生の天音に巻き込まれその大会に関わることに。
長崎・五島では実家の観光業に苦悩する円華が、新たな出会いを通じて空を見上げる。
手作り望遠鏡で星を探す全国の学生たちが、オンライン上で画面越しに繋がり、夜空に交差した彼らの思いは、奇跡の光景をキャッチする――。
最初は登場人物の関係が良くわからずに戸惑いながら見てました。茨城と東京、それに長崎と舞台となるのが3つの場所、そしてそこで生活する学生たち。
一応は事前に情報を仕入れていたつもりだったのですが、場面がちょこちょこと変わり、入れ替わり立ち替わりで異なる人物が出てくると、今の舞台はどこでこの連中はどんな関係なのだろう?と少々迷子になった気分。
でもやがてその別々の場所の、全く無関係だった学生たちがオンラインで繋がり、紆余曲折ありながらも同じ目的に向って進むようになると、段々と興奮状態になってきます。
また限られた時間ながら、コンテストに参加している学生たちの個別の事情も見えてきます。
新型コロナウィルス蔓延という状況下で、今までと同じ生活をしようとするだけで、他の誰かと摩擦が生じてしまう世界。
誰かと一緒に何かをすることを制限される人たち。
そんな中でも抱かれる、誰かに対する淡い想い。
コロナ禍で普通の生活が送れなかった彼らは不幸だったけれども、でも最高の経験を味わうことも出来たのかもしれない。
月並みだけれども、そんなことも感じさせてくれた作品でした。





