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『エクソシスト3』(1977)

尼僧ヘレンの弟、ピーターに悪魔タハルの魔手が!
彼につきまとう謎の裸女の霊こそ18世紀に行われた悪魔復活儀式の使徒だったのだ。
恋人は謎の死をとげ、続発するポルターガイスト現象!!
「僕は憑かれてるんだ!」
ピーターが助かる道はただ一つ。
悪魔払いの儀式によって呪われた血を断つしかない……。
エクソシズムに黒魔術の世界を加えたダーク・サイド・ムービー、幻の傑作!!

監督はフランク・C・ルーカス、キャストはリチャード・コンテ、フランソワ・プレポスト、ジョン・エリア。
キャッチコピーは「悪魔はパズズだけではなかった!!イタリア製作のシリーズ最新作!
…ウソつけ。

『エクソシスト3』(1977)_e0033570_21044631.jpg
仲間と共に出かけたエレナ(字幕はこの表記)の弟ピーターは、滝の上で全裸の美女を見かけるが、誰も信じてくれない。
その日から彼の周囲で不可解な事件が続発する、というのが発端で、病院の診察の結果も異状なし、というのはお約束。
この全裸美女が悪魔の手先というのが、如何にもイタリア映画っぽい。
そして彼女に操られるように、知らず知らずのうちに恋人や母親も殺害してしまうピーター。

三分の二ほど進んだところでようやく神父が登場。
この地に伝わる因縁話――昔、牧師と連れの女(”悪魔の申し子”と呼ばれたらしい)が公爵の娘をたぶらかし、ミサを行って悪魔の子タハルを儲けたものの、修道士たちによって処刑された――を語りはじめるのだが、これが今回の事件とどう関係するのか劇中では一切触れられない。
その”悪魔の申し子”とやらがこの全裸美女の正体だと言いたいのだろうが、それにしては舌足らずだ。

ヒロインは一応ピーターの姉のエレナなんだろうし、序盤からラストまでずーっと出てはくるものの、役回りとしては弟を心配したり、悪魔の襲撃を受けたりする程度。
彼女が神父を召喚するとか、そこまで能動的な行動はとらない。
しかも最後にピーターに憑りついていた悪魔は退散するものの、今度はエレナの身体にピーターに刻まれていたものと同じ悪魔の刻印が現れ、自ら命を断つという結末だ。
ちょっと意外性があるというか、後味の悪い締めくくりである。

これならば、例えば悪魔の手先がピーターの前に姿を見せる際にはエレナの姿を取る、というような捻りがあっても良かったのでは?
というのもピーターは多分にシスコンの気があるので、姉への思慕が募り、それが叶えられることがないから欲求不満でストレスが溜まり、そこに悪魔が付け入る隙があった。
だからそのことを知った姉は自ら弟の前から姿を消した、とでもすれば綺麗にまとまったように思うのだが…。

さて、最後に「しねま宝島」から転載。

あの有名シリーズとは何の関係もないイタリア製亜流作品の一本。
勝手に邦題で『3』と付けちゃったが、後で本家本元がパート3を作るとは思わなかったんだろうなぁ。
ストーリー自体はそんなにつまらなくないが、演出のテンポは頂けない。
ラストも、修道士のお姉さんが何故悪魔にとりつかれ、しかも自殺しなきゃならないのかがわからない。
悪魔は簡単には退治出来ないんだよ、ということか。
監督名はビデオ・パッケージでは”フランク・C・ルーカス”となっているが、クレジットでは”ELO PANNACCIO”とある。
どういうこっちゃ?

by odin2099 | 2025-09-26 21:07 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)

悪文礼賛


by Excalibur(エクスカリバー)
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