『新幹線大爆破』(1975)
2025年 10月 02日
東京発博多行きの「ひかり」に爆弾を仕掛けたとの脅迫電話が入った。この爆弾は速度が80キロ以下になった時に爆発する仕掛けだという。
同様の仕掛けを施したという貨物列車が爆発したことで、国鉄や警察は脅迫が事実だと判断、時速を固定したまま博多までのノンストップ走行を指示する。
その間に犯人の割り出しや爆弾解除の方法を模索しようとするのだが、警察の対応は後手後手に回り、手掛かりも失われていく。
また事実を知った車内でも動揺が広まり、乗客たちはパニックを起こす。
時期的には『エアポート’75』や『タワーリング・インフェルノ』、『大地震』、『ジャガーノート』といったパニック映画のブームに乗っかった作品だろう。
日本では国鉄に撮影の協力を拒否されたり、公開に際しては抗議も受けたりであまり芳しくない結果に終わったようだが、海外ではかなり評価されている模様。
高倉健、宇津井健、丹波哲郎、山本圭、宇津宮雅代、志穂美悦子、鈴木瑞穂、竜雷太、多岐川裕美、織田あきら、千葉真一、藤田弓子…というキャスト陣は豪華ではあるが、芝居のテイストやムードが随分と異なる面子が集まっているので、総じて違和感というか落ち着きのなさを感じる。
監督は佐藤純弥。
30年ぐらい前に一度見ているのだが、全然記憶にない。
今回改めて見ても、多少のダレ場はあっても2時間半の長さは感じなかったので、多分つまらなかったワケではないと思う。
「ひかり」が爆発するイメージショットなどの特撮シーンにはチャチさを感じるが、国鉄の協力なしで新幹線を再現してしまった、その意気込みは大いに買う。
ただ、難点は犯人の動機が今見るとサッパリ理解出来ないし、共感も呼びにくいことだろうか。
こればかりは”時代”故だったというしかなく、高度経済成長の終わりからのオイルショックや、全共闘運動の終焉といった時代背景を知らないと、彼らの行動原理は見えてこないだろう。
異文化交流じゃないけれど、なんか違和感というか、不思議な感覚がありますね。
それぞれの出身映画会社のカラーの違いというか。
まあそれもTVドラマや他の映画などでの共演が増えてくると、段々と気にならなくなっていくんでしょうけれど。





