『孤高の令嬢と甘々な日常』 猫又ぬこ

学校中の男子生徒の告白を断った完璧美少女が、俺だけに甘々になるなんて――。
成績は学年トップで運動神経も抜群の女子高生・水無月綾音。
圧倒的な美貌をもつ一方、誰にも笑顔を見せないクールな性格から彼女は『孤高の令嬢』のあだ名で呼ばれていた。
しかしある日、不慮の事故に巻き込まれそうになっていた彼女を俺が助けたことをきっかけに、俺と水無月さんの距離はどんどん縮まっていっていき――
「持谷くんとおしゃべりしながら歩くの、大好きです」
一つの恩返しから始まる格差ラブコメ、ここに開幕！

事故から助けられたことで恩を感じた彩音は、借りを返したいと奏太に付きまとうように。
そこで奏太の実家である和菓子屋で働くことになり、一緒に時間を過ごすうちにどんどんとイイ感じになっていく、というお話。

奏太は元より彩音に憧れていたのだが、いくら命を救ってもらったからと言って、彩音が奏太にラブラブなのは違和感があるが、まさか彩音が自分に気があるとは思ってない奏太のとの、ちょっとズレたやりとりはラブコメの醍醐味かな。

クールで金持ちのお嬢様が少しずつ笑顔を浮かべるようになり、クラスメイトたちとも打ち解けられるようにもなり、これから奏太へ大胆なアプローチをしていくんだろうな、というところでオシマイ。
序章が終ってこれからいよいよ本編開幕！
――といった感じだったのに、続巻の予定はなかったのだろうか。
ヒロインの掘り下げもこれからなのに。

いずれにせよ刊行から１年半も経っているので、これはこれで完結なのだろうな。
新鮮味があまりない設定のヒロインなだけに、ここからの展開で本領発揮だと思ったのに。