『ハワイ・ミッドウェイ大海空戦 太平洋の嵐』(1960)
2025年 12月 07日
これまた30数年ぶりに見直した一本。真珠湾攻撃からミッドウェイ海戦までを、主に空母「飛龍」とその乗組員を中心に描いた戦争映画。
そういやもうすぐ真珠湾攻撃の日だ。
脚本は橋本忍と国弘威雄、監督は松林宗恵、そして特技監督は円谷英二。
出演は夏木陽介、佐藤允、上原美佐、小林桂樹、加東大介、三橋達也、小泉博、宝田明、三船敏郎、池部良、鶴田浩二、更に中丸忠雄、平田昭彦、小杉義男、田島義文、土屋嘉男、田崎潤、藤田進、上原謙、河津清三郎、志村喬、榎本健一……と続く東宝オールスターの豪華版。
メインで出て来る女優が上原美佐だけなのは淋しいが(しかも彼女はこの年で引退)、それでもこれだけのメンツが顔を揃えていると嬉しくなってくる。
ストーリーはなんだかまとまりに欠ける気もする。
特撮面も目を見張る傑作シーンとミニチュア丸出しのシーンとがあり、その落差が激しい。
なまじ良いシーンが多いだけに余計に気になる。
ストーリー、特撮共に戦記物で最高傑作と聞いていただけにちょっと失望してしまった。
普通に見ればいい作品なのだろうが期待が大きすぎた。
――と当時のメモには少々辛口なコメントを残してるなと思ったのだが、見直してみると「そうだよな、やっぱり」と思ってしまった。
真珠湾の快挙から、南進して連戦連勝を続けるという話のあとに、一転して統制の取れないまま敗北したミッドウェイ海戦が描かれると「なんで?」という気持ちになるし、物語が「飛龍」の艦内と旗艦である「赤城」の艦内に二分されると「今はどちらだ?」と少々混乱する。
メインの舞台となるは「飛龍」なのだが、指揮系統は「赤城」が上だから作戦立案上ではそちらの判断が優先されるのだが、ただの仲間割れのようにも見えてわかりづらく感じてしまったのかなとも思う。
最後は沈没した「飛龍」の艦内で山口司令と加来艦長の幽霊(?)が語り合う場面があったり、敵国である米兵を一切登場させないことで悪役とせず、また日本海軍の描写でも司令部を直接非難したり、高圧的な上官が出てきたりというようなわかりやすい悪役は登場させず、ただひたすら「戦争=悪」の視点を貫いたので、その分カタルシスが得られなかったのだろうか。
ちなみにフィルム上のタイトルは『太平洋の嵐』のみで、副題は付いていない。





