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『魔犬ライナー 0011変身せよ!』(1972)

『魔犬ライナー 0011変身せよ!』(1972)_e0033570_22005095.jpg富士の麓の街に流星雨が降った数日後、観測所の所員が謎の死を遂げた。
林博士は宇宙人の仕業だと断言するが、荒唐無稽だと片付けられてしまい、息子のツトムは口惜しい思いをする。
だが博士が何者かに命を狙われ、ツトムが可愛がっていた4匹の犬が野性の勘で危険を察知するものの、博士やツトムを守るため犠牲になってしまう。
落胆するツトムのため、博士は4匹の犬を特殊な能力を持ったサイボーグとして蘇らせるが、宇宙人は再び博士を襲撃する。

1972年夏の<東映まんがまつり>上映作品。
この時の<まんがまつり>はメイン作品が『仮面ライダー対じごく大使』で、副題に「へんしん大会」と付ける熱の入れよう。
他の上映作品は『変身忍者 嵐』『超人バロム・1』、『魔法使いチャッピー』、『国松さまのお通りだい』 で、6作品中4作品に「へんしん」要素があるのだから。看板に偽りはない。

原案は笹川ひろしで、以前描いた漫画『魔犬五郎』が元になっているとのことだが、未読なのでどの程度活かされているかは不明。
それにしてもアニメ制作会社としてはライバルであるタツノコプロの中心メンバーの名前が、東映動画作品に堂々とクレジットされているのは面白い。
尤も黎明期のタツノコプロには東映動画から共同制作の話が持ち込まれたり、笹川ひろし自身も東映動画でアニメーターの養成研修を受けたことがあるので、パイプは残っていたのかも。

脚本は辻真先芹川有吾の連名で、演出は田宮武。
里見京子、山内雅人、北浜晴子、曽我町子、野沢雅子、松島みのりというメインキャストも安定感があって良い(が、意外性も皆無ではある)。

この映画が公開されたころ、TVでは『デビルマン』や『科学忍者隊ガッチャマン』、『マジンガーZ』といった作品が企画もしくは放送中だったはずだが、それらに比べるとかなり”古さ”を感じてしまう(『ミクロイドS』や『新造人間キャシャーン』っぽさはあるが)。
同時代作品よりも、その数年前の『サイボーグ009』『空飛ぶゆうれい船』などにより近しいものがある。

加えて併映作品である『仮面ライダー対じごく大使』の方が、正直言って面白い。
山下毅雄のサイケデリックな音楽は、格好は良くても子供向けとは思えないし、画面にも合っているように思えない。
空前の「へんしん」ブームの中、実写ではなくアニメでそのジャンルへ挑んだのは、果たして時代遅れだったのか、それとも時代を先取りしていたのか。
リアルタイムで鑑賞した人の、当時の想いを知りたいものだ。


by odin2099 | 2025-12-10 22:03 |  映画感想<マ行> | Trackback | Comments(0)

悪文礼賛


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