『吸血鬼ノスフェラトゥ』(1922)
2026年 01月 06日
ブラム・ストーカーの小説『吸血鬼ドラキュラ』の最初の映画化作品で、監督はF・W・ムルナウ、伯爵役はマックス・シュレックが演じたサイレント映画。権利関係のゴタゴタなのか、実は無許可で作られたものなのか諸説あるようだが、ドラキュラ伯爵がオルロック伯爵に改名されたのをはじめ、登場人物が全て別の名前に変えられている。
……という話なのだが、自分が見た版は全て原作通りのキャラクター名になっていた。
またオリジナルは上映時間が94分あるようだが、こちらは64分。
原作者夫人から著作権問題で訴訟を起こされ敗訴、フィルムの処分を命じられたものの、辛うじて残ったフィルムが今に伝わっているということのようだが、途中で散逸したりで編集違いの複数の版が残ってしまったということだろうか。
お話は基本は原作通りに進んでいくが、上映時間の関係もあってダイジェスト感が強い。
それに時折入る字幕だけではキャラクター同士の関係もわかりづらいので、ある程度原作の筋を頭に入れておかないとキツイだろう。
またサイレント映画といいつつBGMが追加されていたが、これが画面に全く合っていないのには閉口した。
100年以上前の映画なので、流石に今見ても直接的な恐怖を感じることはないが、凡そドラキュラのイメージとは遠いものの、痩身長躯で頭髪が全くない伯爵の出で立ちはインパクト大で、人間とは決して相容れない異形の存在であることを強く印象付ける。
ただ市井に紛れて暮らそうとする伯爵の目的からすると、このデザインは逆効果ではあるのだが。
そして夜のシーンなのに明るいのは、これは白黒映画故の配慮なのだろうか。





