『妹の唇』(2005)
2026年 01月 17日
双子の兄妹ヘレミアスとメメは、人に言えぬ禁断の関係にあった。だが婚約者を伴って帰省してきた長兄エセキエルに、その行為を目撃されてしまう。
エセキエルに激しく詰られるヘレミアスだったが、メメとの関係は続く。
家には二人だけとなったある日、いつものように体を重ねていると、ふいに外出から戻った母親に一部始終を目撃され……。
出演はマリア・アバディ、ルカス・エスカリス、クリスティーナ・バネガス、ダミアン・ラモンダ、ダニエル・ファネゴ、シルヴィア・バイル、監督はアルベティーナ・カリ、アルゼンチンとフランスの合作映画。
兄妹の近親相姦を描いた作品と言うことで、序盤から主演二人のヌードシーンがあるが、行為そのものを描くことに重点は置かれていないため、あまりいやらしさは感じない。
入浴シーンもベッドシーンも、二人の結びつきの強さ、深さを強調するための手段として使われている。
それにしてもこの一家(親戚も含めて)、冒頭から激高したり罵り合ったりでちっとも仲が良さそうに見えない。
そんな中でミミとヘレミアスの親密さは、一種”異常”にさえ映る。
自然な立ち振る舞いや、ちょっとしたやりとり、仕草がもう完全に”恋人”同士のそれなのだ(双子である必然性は感じられなかったが)。
なので二人が結びつくのはごくごく自然な流れのようにも見えてしまうのだが、そこにはやはり”禁忌”という壁が立ち塞がる。
長兄も母親も日常の振る舞いは決して褒められたものではないが、やはり彼らは”常識人”だったということだろう。
母親は子供たちを果たして愛しているのか不明な部分もあるけれど、やはり可愛く思っていたのか、それとも自分の”常識”と相容れなかったので激しく拒絶し、最終的には精神に異常をきたした、という解釈で良いのだろうか。
あるいは子供たちに辛く当たった自分への罰だと感じたのか。
長兄は長兄で、ひょっとして彼も妹に対して何らかの想いを抱いていて、それが”嫉妬”のような形で爆発してしまったかのようにも見える。
他の家族も全てを知ったのか、あるいは知らずに誤魔化されているのか。
救いようがない結末を迎えて映画は終るが、通り一遍な「近親相姦=悪」ではない別の解釈を探し、そこから家族の新しい有り様を模索する、そんな結末でも良かったように思う。
その後この家族がどうなっていくのか、それが見たかった。





