『パッセンジャー/過ぎ去りし日々』(1987)
2026年 01月 21日
人気上昇中のロックシンガーの美奈には、オートレーサーをしている良介という兄がいる。幼い頃に両親を亡くした二人は、互いに支え合って生きてきた。
ある日チンピラに絡まれた美奈は、助けに入ったチャンピオンレーサーの岩下と知り合い恋に落ちる。
だが岩下と良介はライバル関係にあり、世界を目指す岩下、次こそチャンピオンを狙う最後のチャンスだと決めている良介、どちらも負けられない試合だった。
そんな時、兄妹ながら怪しい関係だとジャーナリストに言われ、デマを流した元レース仲間だったチンピラの許へ向かった良介は腹部を刺されてしまう。
傷を隠して翌日のレースに参加する良介、そして同じサーキット場ではレース後に美奈のコンサートを控えていた。
企画・原作・製作総指揮が西崎義展、監督は和泉聖治、出演は本田美奈子、三田村邦彦、宇梶剛士、キー・ホイ・クァン、本田博太郎、小林聡美、柳生博で、岩城滉一と元チャンピオンの片山敬済が特別出演扱い。
西崎プロデューサーにとっては、映画化に執念を燃やしながらも断念せざるを得なかった『汚れた英雄』へのリベンジ企画という側面もあったのかもしれないが、、お話は古くさいし(せめてもう10年ほど前ならば)お世辞にも本田美奈子の演技は上手いとはいえず、ドラマ面は本田博太郎と三田村邦彦が引っ張っているので何とか見られるレベル。
カタコト以下のキー・ホイ・クァンは置いておくとしても、全体的に台詞の聞き取りづらい作品になっている。
また小林聡美はマネージャー補佐みたいな役どころなのかなと思うが存在感がまるでなく、岩城滉一は”裏切り者”のチンピラ役で全く良いところなしだ。
歌手デビュー前のポテトチップスのCMに出ているのを見て一目惚れした本田美奈子と、あの『宇宙戦艦ヤマト』の西崎プロデューサーがタッグを組んだ作品、ではあるものの当時は全く食指が伸びなかったなあ。
本田美奈子に関しては「1986年のマリリン」以降の路線変更にガッカリしていたし(惚れ直すのはクラシカル・クロスオーバー歌手に再々転向した晩年だった)、『オーディーン/光子帆船スターライト』の興行的失敗が糸を引き、『ヤマト』の復活だけじゃなく他の企画も続々と没になっていた時期の西崎プロデューサーにもあまり期待するものがなかった、というのがその理由だ。
もし本田美奈子がもう少し長く生きていたら、もし西崎プロデューサーが何年か早く『宇宙戦艦ヤマト/復活篇』に着手出来ていたら、そして二人の二度目のタッグが実現したら…と妄想することがある。
それはお馴染み「無限に広がる大宇宙」のスキャットを、本田美奈子の歌声で聴きたかったなあ、ということである。





