『わが青春のイレブン』(1979)
2026年 01月 29日
矢吹、片岡、谷川の三人は、名門高校のサッカー部員である。
東京都予戦準々決勝、気合が入る三人。
谷川の妹、有子とその友達、坂口理恵が応援に来ていたからだ。
谷川は理恵のこと、矢吹、片岡の二人は有子のことを好きなのだ。
試合はなんとか勝ったがミスが続いた谷川は控えの選手と交代させられた。
数日後、矢吹と片岡の根回しで理恵とデートをした谷川は彼女から友情以上の感情はないと言われショックを受ける。
その日、谷川は風邪で練習を休んでおり、運悪くデートをマネージャーの久保に見つかってしまう。
そして、翌日の練習で猛烈な特訓を受けた谷川は、急性胃潰瘍で倒れ、息をひきとった。
谷川の死を契機に、サッカー部のあり方をめぐり対立する矢吹と片岡。
矢吹は不良グループとの付き合うようになりサッカーとも距離を置くようになる。
決勝戦の日はまもなくだが・・・。
家城巳代治監督の遺稿を夫人のいえきひさこが脚色、降旗康男が監督したサッカーを題材にした青春ドラマ。
出演は永島敏行、斉藤とも子、吉田次昭、江原真二郎、中原ひとみ、水野久美、津島恵子ら。
音楽プロデューサーを西崎義展が担当している(実は東映はお金を出しておらず、オフィス・アカデミーが金を出して作ったのだとか)。
この映画の存在を知ったのは、1979年7月に放送されたニッポン放送「オールナイトニッポン」の特番「西崎義展と宇宙戦艦ヤマトの友たち」。
番組そのものは翌日公開の<宇宙戦艦ヤマトフェスティバル>(『宇宙戦艦ヤマト』、『さらば宇宙戦艦ヤマト』、『海のトリトン』の3本立て興業)の前宣伝を目的としたものだったが、そのラストに「ヤマト」以外に西崎プロデューサーの携わった新作として本作を紹介、歌手の青山孝(青山孝史)がゲスト出演して自ら作曲した主題歌を披露する、という趣向があった。
今と違ってまだマイナーなスポーツだった時代にサッカーを題材にしたのは珍しいが、お話はサッカーそのものより猛練習という名のシゴキのせいで部員の一人が死に、それで主人公が部活だけじゃなく学校そのものの有り様に疑問を抱くというもの。
学校の事なかれ主義も大きく扱われているので、サッカーを離れてもまだまだ今日的なテーマだと言える。
だがそのラストシーンには唖然。
良い感じにまとまっていくのかなと思わせておいて、まさかのほったらかし。
これは余韻がどうのというレベルではない。
これでは何を伝えたかったのかがサッパリで、綺麗事を並べても何も解決しない、善意が寄せられても空回りして挫折を味わうしかないこともある、というのがテーマだとでもいうのか。
【ひとりごと】
ジャニーズ事務所が全面協力、とは謳っていないが、主題歌は元フォーリーブスの青山孝史だし、川﨑麻世が顔を見せ、彼が歌ってるバックではデビュー前の田原俊彦がノンクレジットで映っているなど接点はあった模様。
特にこの後にTVで放送が始まる西崎プロデューサーの新作『宇宙空母ブルーノア』には、主題歌歌手として川﨑麻世が起用されているだけに。
矢吹、片岡、谷川の三人は、名門高校のサッカー部員である。




