『機動戦士ガンダム/閃光のハサウェイ~キルケーの魔女~』(2026)
2026年 02月 03日
ようやく公開された『機動戦士ガンダム/閃光のハサウェイ』三部作の第2作。お話は基本小説版に沿って進むが、所々にアニメ版オリジナルのシーンが入る。
そもそもアニメ版『逆襲のシャア』とはパラレル世界である小説版『逆襲のシャア~ベルトーチカ・チルドレン~』の続編として書かれている原作とは違い、こちらはアニメ版『逆襲のシャア』の続きの世界として構成されているので、自ずとハサウェイの体験も別のものになっている。
その最たるものがこのアニメ版のハサウェイは、クェスを喪っただけじゃなく、自らチェーン・アギを手にかけてしまったことに自責の念を抱いているということだろう。
その屈折した想いが、クライマックスにおける幻のアムロとの対決。
レーン・エイムと死闘を繰り広げていたはずのハサウェイの目には、いつの間にか対峙しているのがレーンではなくアムロの姿に。
アムロは決してハサウェイを糾弾しに現れたわけではないのだが、その言葉はハサウェイに届かない。
ここでのハサウェイとアムロのやりとりは、完全に『逆襲のシャア』におけるアムロとシャアのやりとりの再現。
ハサウェイはアムロや父ブライトではなく、シャアの信条に共感をしているのだ。
そのシャアは、クェスを死なせたと言っても過言でない相手なのに。
本来のハサウェイにとっての理想はアムロの提唱する世界なのではないかと思うのだが、それを実現させるためにはシャアのようなやり方しかないと考えている。
二つの立場の間で揺れ動くハサウェイの屈折した心。
一方、本作のサブタイトルである「キルケーの魔女」とはギギ・アンダルシアを指しているものと思われる。
ハサウェイとケネスを翻弄しているギギは確かに”魔性の女”ではあるだろうが、一見すると「自分」を持ってる強い女に見える彼女もまた、二つの立場で揺れ動いている。
終始一貫して自分の立場を貫いているケネスとの対比で、それが際立っているが、もし今後の展開も原作小説通りならば、その結末近くでケネスもまた「もうひとりの自分」との間で決断を迫られることになるはずであるが。
終幕近くにはミライを伴い、ブライトが前倒しで登場。
やはり彼が出てくると物語が締まるというか、「ガンダム」作品を見ているのだという気分が強くなる。
ただこれが後の悲劇の序章としてどの程度重みを持ってくるのか、それは最終章を待ちたい。
それにしてもクェスはともかく、今回アムロは出てこないか、出てきても台詞はないものだと思っていたのだが、もう禊は済んだということなのだろうか。
少年時代のハサウェイの声はライブラリー?
【ひとりごと】
もう一人の主人公とも言われてるレーン・エイム、これまでのところ完全なかませ犬で少々お気の毒。
またあまりハサウェイとの接点がないので、最終章でのやりとりが原作小説とは幾分かニュアンスの異なるものになりそうな気もする。





