『テラ戦士ψBOY』(1985)
2026年 02月 10日
6歳の少女MOMOKOは、幼馴染のモトハルと遊園地で遊んでいたのだが…気がつくと16歳の高校生として学園生活を送っていた。16歳までの10年間を普通に過ごしていたにも関わらず、6歳のことを昨日のことのように覚えているのだ。
そのことをモトハルに相談してみるが、彼は一笑に付すだけ。
だが二人の周りではスポーツや勉学に秀でた学生が突然行方不明となり、戻ってきたときにはその間の記憶と能力を一切失っていたという奇妙な事件が立て続けに起こっており、逆にMOMOKOとモトハルには超能力が備わっていた。
やがて”ディラスポーラ”という言葉に導かれ、MOMOKOの元に同じように超能力に目覚めた少年たちが集まってくる。
そしてBOYという宇宙生命体からの助けを求めるメッセージを受け取る。
ゴールデン・フレイムという超能力者によってBOYは囚われの身となっており、その能力を悪用されようとしていたのだ。
原作はマイク・スプリングレイン(誰?)、脚本が原田眞人、監督は石山昭信。
『パンツの穴』でマドンナ役を演じていたとはいえ、事実上この作品が菊池桃子の初主演作。
共演は早乙女愛、益岡徹、竹中直人、井浦秀智、磯崎洋介、栗田光志、五十嵐登、佐藤直洋、島本須美(BOYの声)、あき竹城、上條恒彦、鈴木瑞穂、名古屋章、朝丘雪路。
その初主演作に、ありきたりの恋愛モノではなくSFを用意し、エンディングテーマとして1stアルバム『OCEAN SIDE』に収録されている「I Will」(スケールの大きな名曲だ)を持ってくるとは、「スタッフ、わかってるな」と当時思ったものだが、出来上がった作品は少々アレレな出来。
といっても脇をベテランや個性派で固めたとはいえ、メインは子役なのだから芝居の面では過度な期待が禁物なのは自明のことなのだが、お話の構造が元々わかりにくいのだ。
BOYは地球を訪れた訪問者で、たまたま遊園地にいた6歳のMOMOKOに惹かれて落下。
その際にMOMOKOの周囲にいた人々に能力を与えてしまい、彼らの運命に干渉してしまう。
だが自らの能力は封じられてしまい、その解放をMOMOKOに託す、という内容なのである。
ここまででかなり「?」マークが飛び交うところだが、では何故MOMOKOが16歳になのかというと、その時のMOMOKOが16歳に成りたがっていたから、という身も蓋もない理由なので、更に「?」マークが追加されてしまう。
タイトルだって意味不明だ。
とはいうものの、菊池桃子のPVとして見るには彼女の表情の乏しさが気になるところだが、特撮はなかなか頑張っているし、益岡徹や竹中直人の暑苦しい演技もまま許容範囲だし、オチがわかればラストシーンも感慨深く見られるしで、今でもそれなりに見応えがある。
スタッフの念頭には、原田知世主演の『時をかける少女』あたりがあったんじゃないだろうか。
そんな気もする。
ちなみにBOYのデザインは『2001年宇宙の旅』のスターチャイルドや、『未知との遭遇』のマザーシップの乗員っぽい。
しかしこの1985年の夏、東映は勝負を懸けたんだろうなあ。
7月は人気絶頂のトップアイドルだった菊池桃子主演の本作、そして8月は『宇宙戦艦ヤマト』のプロデュサーの最新作『オーディーン/光子帆船スターライト』。
そのどちらも期待外れに終るとは、世は無常だ。
【ひとりごと】
井浦秀知(井浦秀智)は『大戦隊ゴーグルファイブ』や『超電子バイオマン』などで特撮ファンには知られた子役で、本作を契機に菊池桃子と同じ事務所に所属し、同じレコード会社からデビュー。
お菓子メーカーのCMに出たりしたものの、結局は鳴かず飛ばずで、古巣に戻った(?)『特救指令ソルブレイン』に出演後に引退したらしい。
3枚のシングルを発売してるんだけど、どれも名曲なんで勿体ない。





