『バスカヴィル家の犬』(1939)
2026年 04月 02日
”最高のホームズ役者”と賞されるベイジル・ラスボーンが、初めてシャーロック・ホームズを演じた作品で、『バスカヴィル家の犬』の映像化としても初めてらしい。以後、ワトソン医師役のナイジェル・ブルースとのコンビで14本の作品でホームズ役を務め、ラジオドラマでも演じているとのこと。
脱獄犯(執事の妻の実弟だ)の存在が説明不足で浮いているので、何故不審者が館の周辺を徘徊しているのかがわかりづらいことや、ヘンリー卿に近づくステイプルトン兄妹(義兄妹と称している)の本当の関係について触れられていなかったり、館に出入りする人間が多く唐突に降霊会が始まったり…と油断していると付いていけない部分もあるにはあるが、雰囲気はピッタリで、ややホラー・テイストなところも作品を盛り上げている。
そして何よりも皆がイメージするホームズとワトソンがそこにいる。
いや、逆に我々が彼らのイメージに引きずられて読んでいる、といった方が順序としては正しいか。
ファンの諸兄には各々のイメージするホームズとワトソン像というものがあるだろうが、最大公約数的なものを求めた場合、一つの”正解”にはなるのではなかろうか。
映画の上映時間は80分とシンプル。
ただ残念ながらラストがあっけない。
犯人は逃亡したまま(これは原作通りだったような気がする)だし、余韻もなく忙しなく終ってしまう。
そして全体的にBGMが流れないのも物足りない。





