『アルセーヌ・ルパン』(1932)
2026年 04月 04日
大富豪グルネマルタン邸に盗賊が押し入った。現場に駆けつけたゲルシャール警部は、縛られたシャルムラース公爵の姿を発見する。
ゲルシャールは公爵こそかの怪盗アルセーヌ・ルパンだと睨み、捜査を開始するが、何故か目撃者の証言により明らかにされた犯人の特徴はゲルシャールと一致していた。
そんな矢先に、公爵邸で開かれる舞踏会での犯行予告がルパンから警察に届く。
今度こそルパンを逮捕せよと最後通告を受け、ゲルシャールは公爵邸へ。
一方の公爵は、舞踏会に忍び込んでいたロシアの伯爵令嬢であるソニアと出会い、恋に落ちる。
モーリス・ルブランの書いた戯曲を映画用にリライト、シャルムラース公爵ことアルセーヌ・ルパンをジョン・バリモアが演じ、その宿敵であるゲルシャール警部は実兄のライオネル・バリモアが、そしてロシアの令嬢、実はゲルシャールの送り込んだスパイであった元詐欺師のソニアをカレン・マーレイが演じたミステリー・サスペンス。
監督はジャック・コンウェイ。
これまた古い作品ではあるが、なかなか愉しめた。
警察側の仕掛け、それの上を行くルパンの行動。
ゲルシャールが決して切れ者ではなく、どことなく抜けているのと、ルパン自身もあまり余裕がなさそうな感じなのが、作品全体に適度なユーモアを与えている。
それに色仕掛けでルパンに迫る謎の美女も、なかなか色っぽい。
またルパンは恋人であるソニアや囚われた仲間を助けるためにはかなり大胆な行動に出て、その交渉手段として「モナ・リザ」を盗み出したり、ゲルシャールの娘を誘拐したりもし、時には非情に映る場面もあるのだが、それでも実際に人命を危険にさらしたり暴力に訴えたりはせず、あくまで材料として利用するだけなのも良し。
ちなみにシャルムラース公爵がルパンとして行動するのは終盤なので、それまで観客は「この人物が怪しい」とは思いつつもルパンだという確証を持てないので、それがルパンの神出鬼没っぷりを上手く引き出している……というのは、流石に穿ちすぎか。
そういえばジョン・バリモアはこの作品以前に「シャーロック・ホームズ」物にも出演しているが、ホームズとルパンの両方を演じた俳優って他にもいるのだろうか。





