『地球最後の秘境 南極大陸』(2007)
2026年 04月 06日
この作品も、地球温暖化に警鐘を鳴らすドキュメンタリー映画といって良いのだろう。南極はここ50年で気温が6度も上昇、そのスピードは他の地域の5倍の速さということから、全生物の未来がこの南極に掛かっているといっても過言ではない?
そんなこんなで構えて見ていたのだが、思っていたのとはちょっと違う内容だった。
カナダの調査チームに同行し、1年以上に亘って密着取材を敢行というので、南極のあちらこちらを具に回り、これまでの調査との比べてどうのこうのと変化を強調したり、南極に生息する生物たちの生活環境の悪化みたいなものを取り上げているのだろうという予想に反し、メインになっているのは実は調査チームの面々の日常生活だった。
彼らは通常は湾内に停泊している調査船の中で過ごすのだが、これまでなら氷山が彼らを乗せた船を蓋をするように外海からガッチリ護ってくれていたはずが、なかなか氷山が訪れないため固定されず、そこに運悪く嵐が接近したりで遭難の危機に直面したり、せっかく持ち込んだ食料が溶けて廃棄する羽目に陥ったり、中でも「メンバーの中に合わない人間がいる」とか、「他人との共同生活はある程度我慢は出来ても、個人の自由な時間も欲しい」と赤裸々に訴えるクルーの声を拾ったり、残してきた家族に想いを馳せたりと、南極大陸が如何なる処なのかということより、そこで生活していく大変さの方がより大きく扱われている。
実際に交代メンバーが到着した際には、任務の途中で断念して帰国する者も出たし、一方でギリギリで踏みとどまって残留を決意する者もいる。
みんな仲良し、という綺麗事では済まされない人間関係に触れているあたりもリアルだし、生々しい。
それでもネガティヴよりはポジティヴな感情を前面に出している大半のクルーの姿には、ちょっとホッとさせられた。
監督のジャン・ルミールは、この前年に北極を舞台にしてドキュメンタリー映画『ホワイト・プラネット』のプロデューサーを務めた人物。
内容そのものは些か期待外れだったものの、撮影のノウハウやスタッフへの指示は把握しているようで、映像の美しさは特筆もの。
青い空、青い海、そして白い氷、雪、それに逞しく生きるクジラ、アザラシ、ペンギンたち。
見ているだけで癒やされる。
【ひとこと】
このDVDのジャケ、なんとかならんかったのかなあ。
作品の雰囲気にまるで合っとらん。





