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『水爆と深海の怪物』(1955)

『水爆と深海の怪物』(1955)_e0033570_22065278.jpg米軍の最新鋭原潜のテスト航海中、突如正体不明の相手から攻撃を受ける。
調査の結果、それは水爆実験の影響で生態系を乱され、深海から現れた巨大なタコと判明。
タコは次々と人間を襲い、遂には金門橋を破壊する。

レイ・ハリーハウゼン『原子怪獣現わる』に続いて特撮を手掛けたモンスター映画だが、予算が少なかったのか、迫力に欠けるし、見せ場にも乏しい(撮影に使われたタコのモデルは6本足しかないそうだが、ボーッと見ている分には気にならない)。
一歩も二歩も後退してしまった感じだ。

お話そのものは、先ずは事件の発生、そして原因の究明、その間にも続出する怪異、そしてようやくの変異の解明から対策の研究…という王道を行くパターンで進行していくのだが、その一方で最初に被害に遭った原潜の艦長と、怪物の正体を突き止めた美人科学者とのメロドラマを中心に据えているので、サスペンスがちっとも盛り上がらない。

また前年に作られた『ゴジラ』を意識しているようなシーンやシチュエーションも幾つか。
モンスターが船を襲う場面は『ゴジラ』にも似たようなショットがあるし、日本の漁船団もモンスターの犠牲になったようだし、モンスターの正体を突き止める際には東京の学者の意見も聞いたようだし、クライマックスでは主人公が海に潜ってモンスターと対峙する。
これは偶然なのか、それとも故意なのか。
ハリーハウゼン自身は『ゴジラ』を盗作呼ばわりして毛嫌いしていたようだから、少なくても彼の意思ではないんだろうけれども。

しかし『ゴジラ』の企画当初は、太古の恐竜の生き残りではなく大蛸が大暴れするという内容だったことを踏まえると、この映画は邪道ではあるが『ゴジラ』の前史、もしくは裏ドラマとしても愉しめるんじゃないかなということに思い至った。
日本の漁船はタコではなくゴジラに襲われ、モンスターの正体究明に協力した学者が山根博士だったりしたら…と妄想は膨らむのだが……
脱線はここまでにしておこう。

ちなみにBlu-rayにはカラーライズ版も収録されていて、やっぱりカラーだと見やすいなとは思うものの、やはり人工着色の不自然さが出てしまうのは気になるところだ。
また原題は”It Came from Beneath the Sea”なのだが、もうちょっと格好良い邦題は付けられなかったものかな。


by odin2099 | 2026-05-01 22:09 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)

悪文礼賛


by Excalibur(エクスカリバー)
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