『黒猫』(1934)
2026年 05月 09日
新婚旅行中の推理小説家ピーターとジョーンのアリソン夫妻は、列車の中で精神科医のヴィトスと知り合う。ヴィトスは、夫妻の目的地の近くに住む高名な建築家で旧友のポールツィグを訪ねるところだという。
同行する夫妻だったが途中で事故に遭い、やむを得ずポールツィグの屋敷に世話になることになる。
というところから物語は始まるのだが、戦時中にポールツィグの命によって部隊は全滅させられ、ヴィトスは敵の捕虜となって辛酸を舐めさせられ、ようやく戻ったものの妻と娘は行方不明という有様。
これは自分の妻に横恋慕していたポールツィグの仕業に違いないと、ヴィトスは復讐目的でやって来たのだ。
ピーターもピーターで、ジェーンを邪な眼で見つめるポールツィグに不信感を抱き、一刻も早く屋敷から立ち去ろうとするのだが、これに邪教が絡んできて…というユニバーサル・ホラーの一篇。
監督はエドガー・G・ウルマー。
原作はエドガー・アラン・ポーの『黒猫』ということになってるが、こんなお話じゃなかったはず。
とにかくポールツィグを演じているのがボリス・カーロフで、ヴィトスを演じてるのがベラ・ルゴシだから、どっちが悪人かわかったもんじゃない。
というかどっちも悪い奴か、少なくても双方共に何かを企んでるようにしか見えない。
一応はカーロフが悪役でルゴシがヒーロー役ではあるのだが、その風貌のせい(?)なのか両者ともにロクな目に合わない。
そして何らかのトラウマでヴィトスが猫を嫌っているという設定があるだけで、実は”黒猫”はお話には全く絡んでこない。
せいぜいヴィトスが何らかの行動を起こそうとすると猫が通りがかるので、それが悉く失敗するといった程度。
もう少し面白くはならなかったものかなあ。
ちなみにルゴシとカーロフはこれが初共演らしい。





