『月世界征服』(1950)
2026年 05月 13日
設計は完璧だと思われたものの、軍による人工衛星打ち上げ実験は失敗が続いた。そこで民間企業主体による月への有人宇宙飛行へと実験を切り替え、ようやくロケットは完成する。
打ち上げ直前の病気による宇宙飛行士の交代や、政府による妨害、更には船外活動中のトラブルはあったものの、4人を乗せたロケットは無事に月面へと着陸する。
だが月を飛び立つには重量超過であることが判明、不要な機材を廃棄したもののまだ足りず、4人には非情な決断が迫られる。
当時の最先端の科学技術で描かれたカラーによる宇宙SF映画で、原作はロバート・A・ハインライン、製作はジョージ・パル。
実際のアポロ計画において、人類が有人で8号で月周回飛行を行ったのは1968年、月面着陸に成功したのが1969年であることを考えると、そのリアリティーや先見性は驚異的だと思う。
ただお話としては生真面目すぎて面白みに欠ける。
序盤の実験失敗の件は、妨害計画の有無を情報局が調査する云々というやりとりがあったものの、実際にあったのかどうかは明確に語られないし、あったとすれば誰が?という部分は抜け落ちている。
国内の反対派のようにも敵対国のようにも受け取れるのだが。
そしてエンジンのテストに許可が下りないと知るや、じゃあこのまま飛ばしちゃおう、最適な時間は18時間後ね、とロケットが完成してるのかしてないのかも不明なまま強行するし、帰りの際に重量オーバーだと知るや、俺が残る、自分が残ると大騒ぎ始めるし、とトンデモな部分も多い。
それでも他の『地球最後の日』や『宇宙戦争』、『宇宙征服』、『タイム・マシン』などと共に、プロデューサーのジョージ・パルの名前は映画史に留めるだろうし、この作品そのものも『2001年宇宙の旅』の先駆者としてファンの心に残るだろう。
自分は30年ぐらい前に一度この映画を見てるけれど、ちっとも記憶に残ってなかったのだが…。





