『灰原くんの強くて青春ニューゲーム』 雨宮和希
2026年 07月 06日
既刊分11巻まで読破。この後、後日談を描く12巻の発売予定はあるものの、本編はこれにて完結とのこと。
想いを寄せてくれた詩と陽花里、どちらかを選ばねばならなくなった夏希は、初志を貫いて陽花里を選ぶ。
この二人が選ばれたことでメデタシメデタシのような雰囲気が醸成されてTVアニメ版は終了したが、むしろ二人が恋人同士として付き合い始めてからの方が本番と言えるくらい濃密な展開が待っていた。
アニメのラストでも不穏な空気を醸し出していた美織と怜太の関係が5巻で大きく揺れ動き、続いて芹香、唯乃、後輩の新入生女子…と次々と夏希に問題が持ち上がり、その度に真摯にそれと向き合って解決に導いていくのだが、他の女子生徒との接点が増えれば増えるほど陽花里は不安に駆られていくわけで…。
おまけに自分が二度目の青春を謳歌している一方で、その選択が周囲の人たちに違った未来を与えてしまっていることに気付いた夏希は罪悪感を抱き始めるのだが、やがて元の世界での存在しない未来の記憶が流れ込んできて、更には元の時間軸へ戻る選択肢も与えられ、そして未来から来たことを身近な人に気づかれたことで、その心が大きく揺れ動き…とSF・ファンタジー色を強めてくる。
最終的な夏希の決断は賛否分かれそうだが、自分の欲望に忠実なのは悪くはない。
ただその選んだ先の未来も、虹色かどうかはわからず、もしかすると将来この決断を悔いるときがこないとも言い切れはしないのだが。
アニメ版も、出来ればこの結末までしっかりと描いて欲しい。





