『魔法ファンタジーの世界』 脇明子
2006年 06月 01日
ただ著者は氾濫するアニメやゲームには否定的で、どちらかというと古典的作品が「教育上好ましい」と考えていると受け取れる節もあり、また『ハリー・ポッター』を始めとする現在流行っているタイプの作品には一切触れておらず(題名すら紹介していない)、ブームには敢えて背を向けている感がある。

単純に「昔は良かった」式な内容にはなっていないのだが、どうも現在のブームへの戸惑い、そして理解出来ないものへの拒否反応が強く感じられてしまうのが残念でもある。
今話題の作品も良いけれど、「他にももっと良いものがあるのだよ」というスタンスであったならば、もう少し共感出来たのだが・・・。

読み始めたばかりなので、間違っていたらごめんなさい。
脇さんは、視点が子供が大人になるためには何が必要か、という所にあるのだと思います。
だから、これだけ子供向きのファンタジーが読まれているのに、何故読む力のない若者が増えているのか、その疑問を解くために書かれた本なので、ファンタジー本の紹介をしている本というわけではないのです。
脇さんの「読む力は生きる力」を読まれtからこの本を読むと、彼女がこの本を書いた意味を解っていただけるのでは、と思うのですが。
どうして最近ファンタジー作品の新作、多いんでしょうね。
それが一番不思議。
単純にきっかけはハリーポッターの成功にあるのかな、と思ったり。」
私もこの本買ってみたんです。
でね、やっぱり、子どもが本好きになるのは、ある程度レールに乗っけてあげる必要があるのかな、と思ったり、それより
読むことを楽しんでいる大人の姿を見るのが自然なのかな、と思ったり。
ファンタジーという言葉で敷居が高くならないでほしいんだけど、ね。
この本が「ファンタジーの紹介本」というよりも、
「子どもの読解力」に関する本なのはわかります。
ファンタジーの持つ構造だとか、そういった面での説明は殆どありませんし。
ただ、こういう本が出版出来たということは、当然昨今のファンタジー・ブームに乗っかってのことですから、
もう少しブーム自体を好意的に、肯定的に捉えて欲しかったかなぁとは思います。
別にブームを否定しているわけではないのもわかりますが、
それへの「警鐘」の部分だけが、妙に印象に残ってしまっているんですよね(苦笑)。
『ハリポタ』のヒットの影響なのは間違いないと思いますが、
そもそもなんで『ハリポタ』だけがヒットしたのか、というのも謎です。
そういやハードカバーで、『ハリポタ』の批判本が出てますね。
ちょっと読んでみようかな。