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『失われた世界』 コナン・ドイル

コナン・ドイルといえばシャーロック・ホームズの生みの親として有名ですが、ここにもう一つ、チャレンジャー教授を主人公にしたシリーズ物もあるのです。

これはその第一作目で、「人跡未踏の大地に、先史時代の生物たちが跋扈している」という、今ではSF作品で御馴染みのシュチュエーションは、この作品が元祖のようです。そのことだけでも、これは後世に語り継がれるだけの価値がある作品だと言っても良いのではないでしょうか。
これの劇場映画版は直接的に『キング・コング』誕生の切っ掛けになっていますし、マイケル・クライトンはこの作品に敬意を表し、自作『ジュラシック・パーク』の続編を同じ『ロスト・ワールド』と名付けました。数多の恐竜が登場する映画、そしてゴジラを始めとする日本の怪獣映画群も、この作品がなければ生まれなかったかもしれません。

『失われた世界』 コナン・ドイル_e0033570_23481714.jpg90年以上前の作品ですし、この翻訳版(龍口直太郎訳の創元SF文庫版)にしても初版が1970年ですので当然古さを感じる部分はあるのですが、それを補って余りあるワクワクするような感覚がこの作品にあり、今日でも充分に楽しめます。
正直言うと、もっと恐竜たちが前面に出てくるお話なのかなぁと思っていたのですが、実際は変わり者のチャレンジャー、そのライバルのサマリー教授、世界的な探検家ジョン・ロクストン卿、それに語り部である新聞記者のエドワード・マローンら探検隊を構成するキャラクターたちの掛け合いを愉しむ作品でもありました。
by odin2099 | 2006-06-09 06:16 | | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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