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『赤んぼ大将』 佐藤さとる

やっと一歳になったタッチュンことタツオは、赤んぼことばの名人で、機械や動物と話をすることが出来る。
ある日、神さまが管理していたキョウリュウのたましいが紛失。
パワーショベルにとりついてしまう、という事件が発生。
タッチュンと仲良しのめざまし時計を通じて、とけい組合からタッチュンへ協力の依頼が。
この近所でパワーショベルと話が出来て、おそらくキョウリュウとも話が出来るのはタッチュンしかいない!
というわけでタッチュンは、とけい組合が作った、それを着ると空も飛べるという「モモンガ服」を身に着け、モモンガ=モンザエモンをパートナーにいざ現場へ!
…というのが『海へいった赤んぼ大将』というお話の粗筋で、「栞をはさんで…」から転載しました。
小さい頃大好きで何度も読み返していましたし、数年前に久しぶりに引っ張り出して読み直したときも夢中になりましたし、今回もまたまた夢中になれました。
多感な時期に大きな大きな影響を受けた、自分にとって大切な作品です。

この作品には『赤んぼ大将山へいく』という続編もありまして、今度は戦争中に投下された不発弾が突然動き出し、それを止めるためにタッチュンが出動するというお話です。
ところが爆弾は結局爆発してしまい、その影響でタッチュンが過去へタイムスリップしてしまうという、SF仕立ての民話風味という、クロスオーヴァーな作品になっています。

『海へいった~』は昭和43年、『~山へいく』は昭和45年にそれぞれあかね書房から出たのが初版だそうですから、おそらく『~山へいく』が出てそんなに経っていない頃に、2冊続けて読んだのでしょうね。
現在僕が持っているのは昭和51年発売の講談社文庫版で、これには2作品とも収められています。
おそらく今では入手が難しくなっているとは思いますが、他にも色々な版が出ているようですので、興味をお持ちの方はお子さんに、あるいはご自身で愉しまれては如何でしょう?

『赤んぼ大将』 佐藤さとる_e0033570_23261715.jpgそういえば10年ほど前に、シリーズの3作目が出ていたことを最近知りました。
現実世界とほぼ同じ、25歳になったタッチュンが再び赤んぼ大将として活躍する完結編のようで、これは近いうちに是非読んでみたいですね。
また村上勉の挿絵をそのままに、アニメーション化しても面白いと思います。
ある意味『ドラえもん』というか、藤子・F・不二雄作品に通じる雰囲気もありますので、きっと子ども受けすると思うのですが。

ところで佐藤さとるというと、一般的には「コロボックル」シリーズの方が有名なんじゃないかと思いますが、何故か読んだことがありませんね。
こちらは以前TVアニメ化されていますが、そちらも残念ながら見たことがありません。

Commented by こもも at 2006-06-19 09:00 x
トラバありがとうございました。
この本、子どもの頃、お好きだったのですね。
私は、佐藤さとる作品が大好きな子どもでした♪
コロボックルシリーズも、とてもおもしろかったですよ。
機会があったら、是非!
ちなみに、アニメ化されたのは、全く知りませんでした。
Commented by jh7hhn at 2006-06-19 19:54
私は、佐藤さとるの大ファンなんですが、第1作はとってもいいんですよ。で、ず~っと探していたのですが、昨年やっと古本屋で見つけました。この作品と「手のひら島はどこにある」を是非、読んでくださいませ。
Commented by odin2099 at 2006-06-19 22:19
>こもも様

息子さんと一緒に読んでいらっしゃるんですね。
親子二代で楽しんでおられるのは、とても素敵なことだと思います。
「コロボックル」は、図書室などでも何故か敬遠してしまっていました。
たいがい隣に並んでいるんですがね(苦笑)。

アニメ版は『冒険コロボックル』という題名で、30年以上も前に放送されていました。
ただ絵柄は村上さんの挿絵とは全く違います。
最初はその挿絵を基に作る予定が、パイロット版の反響があまり良くなかったので変更になったんだとか。
Commented by odin2099 at 2006-06-19 22:21
>なかちゃん様

ファンだったのですかぁ。
確かに二作目は一作目よりも、プロットに捻りがある分、ストレートに楽しめないかも(苦笑)。
でも三作目は気になってます。
そしてこの際だから、他の佐藤さとる作品にも手を伸ばしてみようかな。
Commented by jh7hhn at 2006-06-20 20:53
>そしてこの際だから・・・
そうこなくっちゃぁ。
Commented by odin2099 at 2006-06-20 22:53
うう、でも宿題多すぎるんだよなぁ・・・(汗)。
by odin2099 | 2006-06-17 19:17 | | Trackback | Comments(6)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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