『日本沈没』(1973)
2006年 07月 10日
こちらは小松左京のベストセラー小説の映画化で、TVシリーズにもなっていまして、当時自分が観ていたのはTV版の方です(但し序盤だけ。確か大河ドラマの裏番組だったので、途中で父親にチャンネル権を奪われました・・・)。映画版の方は、かなり後になって観ました。
今回はリメイク版がいよいよ公開されるので、そのお浚いという訳です。今年はなんだかこのパターン、多いなぁ・・・。
リメイク版といえば、数年前に松竹が大森一樹監督で『日本沈没1999』という企画を立てたことがありましたが、あちらは残念ながらボツになってしまいましたね。

それでも森谷司郎監督の手腕に、小林桂樹、丹波哲郎、藤岡弘らの――些か暴走気味の――熱演もあってかなり見応えのあるドラマとなり得て、今日でも決して色褪せてはいないのですが、ただ一つ欠点があるとすれば、それは特撮シーンです。
確かに良いカットも多く、見るべき点も多々あるのですが、演出に難があるのです。
映画は凄いカットを羅列して作るものではなく、単に特殊技術の優劣を競うものでもありません。要は「どう繋ぐか」ということに尽きるのだと思います。どんなに優れた特撮のショットでも、それが作品から浮き上がっていては失格です。
そのあたり、技術的云々ではなく、根本的な演出に対するセンスの無さが感じられて非常に残念です。

東宝は特撮映画には圧倒的な力量を発揮します。この『日本沈没』も70年代を代表する傑作特撮パニック映画のひとつであり、原作は小松左京、脚本に橋本忍を起用、製作にゴジラ・シリーズの田中友幸が携わり、スタッフにも佐藤勝(音楽)、村木与四郎(美術)、木村大作(撮影)ら黒澤組が顔を揃え(森谷監督は黒澤監督の助監督を務めていました)、森谷司郎監督をバックアップしていました。... more

DVDの「日本沈没」のご紹介です。 7月15日に、草なぎ剛&柴咲コウの主演によるリメイク版の映画も公開になっているので、1973年に公開され大ヒットを記録した作品も、この機会にご紹介させて頂きます。 田所博士役が... more

日本沈没 1973年版 1973年 森谷司郎 監督 橋本忍 脚本藤岡弘 , 小林桂樹 , 丹波哲郎 , いしだあゆみ まず冒頭、1万メートルはまだしも、10万メートルだって潜れるって、、、このセリフ、原作にあるのかなぁ、、これ、ゼンゼンいらないでしょ? ...... more

東宝 日本沈没 日本沈没(1973)レンタルDVDで観ました この映画を基にして2006年リメイクされた映画は公開中です。またこのオリジナル映画のストーリーは殆ど忘れていましたが、丁度ツタヤで2本しか無い本作が久しぶりにレンタルOKに成っていましたの早速借り... more


33年前の日本沈没をDVDで見ました。内容的にみてもこっちの方が全然よくできていると思います。新作の方ではある方法で沈没を押さえることに成功し一応ハッピーエンドになりましたがこちらはさすがにそうではありませんでし... more

先日、深夜に地上波で放送された【日本沈没(1973)】を鑑賞。一目会ったその日から 恋の花咲くこともある~視線の先にはくさなぎクンリメイク版がパンチDEデートなら・・・非常事態なのに海辺でいちゃつく2人 (C)東宝オリジナル版はパンイチDEデートです風邪ひくよ時代を感じさせるオープニング。あの音楽・・・任侠映画でも始まるのかと思ったよ(≧m≦*)セット見てるとガメラ出てきそうだし・・・田所さんてば、自分の発見に夢中です( 。`ω´)...... more

製作:田中友幸 、田中収 監督:森谷司郎 原作:小松左京 脚本:橋本忍 撮影:村井博 、木村大作 美術:村木与四郎 音楽:佐藤勝 SFX:富岡素敬 、井上泰幸、森本正邦、三瓶一信、田淵吉男 特撮監督:中野昭慶 編集:池田美千子 録音:伴利也 スクリプター:田中一清、竹内均(東大教授) 、大崎順彦(東大教授)、奈須紀幸 (東大教授)、諏訪彰 (気象研究所地震研究部長)、小松左京 出演者:小林桂樹 、藤岡弘 、いしだあゆみ 、滝田裕介 、二谷英明 、丹波哲郎 、島田正吾、中丸忠雄、...... more

第166回『日本沈没』(1973年版) 今回紹介する作品は小松左京の傑作SF小説を映画化した『日本沈没』です。2005年に『ローレライ』の橋口真嗣監督が草薙剛と柴崎コウを主演に迎えてリメイクもされましたが、今回紹介するのは1973年に制作された方です。 1973年版『日本沈没』は4ヶ月という短期間で制作されていますが... more


改めて73年版を再鑑賞して思ったことは・・・ リメイク版『日本沈没』は、全く別モノだ! <(。 ̄× ̄。)> 映画の骨格となる部分、著者小松左京氏が言いたかったこと・・・ 日本民族の存続と将来。 帰るべき国を失い放浪の民族となった日本人が、“海千山千”の海外の国々でどう生き残っていけるのか。 自国を失った日本人が、諸外国の中で生きていけるという保証は無い。 新しい国を造るのか? 移住先の国に帰化するのか? それとも・・・このまま何もしないほうがいいのか? ...... more

1973年:日本 原作:小松左京 監督:森谷司郎 出演:小林桂樹、藤岡弘、いしだあゆみ、滝田裕介、二谷英明、丹波哲郎 深海潜水艦・わだつみのなかで日本海溝の異変に気づいた小野寺と田所博士。二人は政界・財界のトップによる“D計画”のために働くことになり、綿....... more

コチラの「日本沈没」は、今年7/15に公開された「日本沈没」のオリジナルです。 実を言うとリメイク版は、日本だけが沈んでしまうと言う謙虚?さ、なかなか迫力のある映像、そしてこのまま何もせず日本列島と共に沈むのが日本の国民性にはぴったりなんじゃないかと言....... more

1月25日(月) 20:40~ 銀座シネパトス1 料金:1300円 日本沈没 [DVD]出版社/メーカー: 東宝メディア: DVD 名画座宣言した銀座シネパトスの「銀座シネパニック!!~邦画パニック映画特集~」の一本。まずは、映画館発行のチラシから当作品の解説を引用。 <引用開始> 日本が世界に誇るパニック映画の金字塔。我らが中野昭慶特技監督による東京大地震、富士山噴火、そして列島沈没シーンは圧巻の一言。『東京湾炎上』に引き続き、藤岡、丹波の熱演が光る。やっぱり本当に面白いのはリメイクよりオ...... more

リメイク版観終わったら、無性にオリジナルが観たくなりました。結構、記憶に遠いので、観終わったら、こんな映画だったんだなぁ~って感じだけど(笑)そいえばオリジナルの題字・・・リメイクとほぼ同じだったみたいやっぱり意識的だったのかなぁ?<リメイク(笑)日本海溝を... more



なんというかドラマの力強さを感じました。特撮はガメラとかウルトラマンを見ている気分にもなりますけど、私は許せる範囲だったので、ひしひしと感じる深刻さがいったい日本はどうなってしまうんだろうと思わせてくれました。
昔の映画にはこういう力強さがあって見ごたえがありますね。
同じ東宝特撮ですし。
それでも、どこかが違うということには気付いていたでしょう。
それにしても「熱い」映画ですよね。
もう邦画界は斜陽の時代でしたけれど、最後の徒花とでも言った感じ。
それだけにセンスのない特撮場面の演出にはガッカリです・・・。

この時代にどれほどの技術があって、この映画の水準がどのぐらいなのかも分かりませんが、
ストーリー展開はとてもグッとくるものがありました!
昔はこの作品、特撮ファンからも随分叩かれていたんですけれどね(笑)。
その以前の、いわゆる円谷英二特技監督の時代に比べると、この頃は邦画全体が斜陽になって予算が切り詰められたり、リストラで人員が削減され技術が継承されなかったり、オイルショックで製作費が高騰したりで、古くからのファンは失望していたようです。
今でも特撮シーンは稚拙というかセンスがないと思えるんですが、ドラマ自体は評価されてきているようですね。
それだけ最近の日本映画がスカスカだということなんでしょうか???