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『ウルトラマンゼアス2/超人大戦・光と影』(1997)

前作のコメディ調はやや抑え気味に、第2期ウルトラ・シリーズのテイスト(一敗地に塗れた主人公が、特訓の末に相手を倒す、というパターン)を盛り込み、正統派のヒーロー物寄りになった2作目。
対するはレディ・ベンゼン星人操るウルトラマンシャドー。劇中では「黒いウルトラマン」と表現されているが、”偽ウルトラマン”というよりも”悪のウルトラマン”で、ゼアスと互角の能力を持つという設定。同時期にTV放映されていた『ウルトラマンティガ』には、イーヴィル・ティガという主人公と対立するもう一人のウルトラマンが登場していたが、それに先駆けた形だ。
前作はどうしても許せない作品だったが、今回は充分に及第点。

素人と新人に演技の進歩は殆ど見られないが、とんねるずの二人が(スケジュールの都合だろうが)脇に退き、替って森次晃嗣と宮川一朗太が参加。それだけでも作品が締まって見える。『ウルトラマンゼアス2/超人大戦・光と影』(1997)_e0033570_10475253.jpg森次晃嗣が演じているのは地球防衛組織の新隊長・薩摩萬だが、カプセル怪獣を見て「懐かしいなぁ」とつぶやいて他の隊員たちに怪訝な顔をされたり、主人公・朝日勝人の正体がウルトラマンゼアスだと気付いているような素振りを見せたり、と怪しさ全開。そもそも名前からして明らかに狙っている。
レディ・ベンゼン星人の人間体を演じているのは神田うの。前作のベンゼン星人は鹿賀丈史が怪演していたが(今回は声のみの出演)、こちらは殆ど素のまま(?)と思えるほどのはまり役。また意外な好演を見せているのは、勝人に特訓を課す役で出演している正道会館の角田信朗で、その後の活躍はご存知の通り。アンディ・フグも演舞を見せているが、当時は全く知らなかったので誰それ?と思ったものである(・・・合掌)。

ゲスト出演は、前作同様に元・科特隊メンバーの皆さん(前作公開後に亡くなった小林昭二だけは写真で出演・・・)。それに西條康彦、ひし美ゆり子、そして団時朗。そのニュース・キャスター役の団時朗の台詞に「ウルトラマンが帰ってきました!」とあるのが楽屋落ち?
by odin2099 | 2006-07-21 06:10 |  映画感想<ア行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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