『仮面ライダーJ』(1994)
2006年 07月 22日

物語は『ZO』と違って一直線で、宇宙からの侵略者フォッグマザーに生贄として浚われてしまった少女を救い出すためだけに、仮面ライダーがひたすら突っ走るというもの(物語内時間は凡そ一日)。おそらく主人公には「地球の平和を守る」などという意識はないだろう。自分の周囲の秩序破壊者に対する怒りのみだ。このストレートさは、ある意味で上原正三脚本の真骨頂か。
その浚われた少女を演じているのは野村佑香。チャイドルとして人気が高まっていた頃で、やはり可愛い。監督の雨宮慶太はこの作品以降、『人造人間ハカイダー』で宝生舞を、『タオの月』で吉野紗香をそれぞれヒロインに起用していくが、何となく趣味がうかがえる。
肝心の主人公・瀬川耕司を演じているのはJAC所属だった望月祐多で、戦隊モノなどでは珍しくないが変身前のライダーをJAC出身者が演じるのは初めてのこと。ただ既に『恐竜戦隊ジュウレンジャー』での主演経験(ティラノレンジャーことゲキの役)があるので、劇場では子供たちから「あ、ゲキだ!」の声が挙がってしまっていたが・・・。

これは前年に発売された『ウルトラマンVS仮面ライダー』というビデオ作品内で、両雄が共闘するというミニドラマが作られたのだが、その劇中で1号ライダーが巨大化して初代ウルトラマンとのコンビネーション・プレイを見せるというシチュエーションが大きな反響を呼んだためだ。結局ファンには受け容れられなかったのか、以後のライダーが巨大化するシチュエーションは(今のところ)継続しなかったが、「ウルトラマン」とは違った巨大感の表現にスタッフの腐心の後がうかがえて見応えのある場面にはなっている。ただ巨大化そのものには説得力がなく、全体的にもアクション面は充実しながらドラマ面では一歩後退の印象だ。翌年も<スーパーヒーローフェア>は実施されたが、そこに新作ライダー映画の姿はなかった。『仮面ライダークウガ』でシリーズが復活するのは6年もの後のことである。

「仮面ライダーJ」 恐竜絶滅の原因となった「フォグ」、その機械化母艦にして邪悪軍団の母そのものである「フォグマザー」が地球に襲来した。その尖兵は3人の怪人である。小柄でがっちりした体躯のアギト、お姉さんタイプのズー、長身の王子ガライだ。(「ZO」の蜘蛛、蝙蝠に引き続き、蜂、蜥蜴、コブラと、律儀に初代の怪人のリファイン版になっている!) 彼ら3人がマザーの命で、卵から孵化する(予定の)兄弟たちのために選んだ生贄が加那(野村佑香)だった。その拉致を止めようとして命を落としたお兄ちゃん=瀬川耕司(望月祐...... more

仮面ライダー J 1994年 雨宮慶太 監督 石ノ森章太郎 原作 東映+バンダイ望月祐多 野村佑香 岡元次郎 神威杏次 栗原敏 万里洋子 仮面ライダー J ・ 忍者戦隊カクレンジャー ・ ブルー・スワット1994年 東...... more
てか、ジャンボのJだったの?
大きさは、うまく表現されていました。
崖の上の道路沿いに、ライダーの頭だけが横切るショットとか。
巨大化したライダーは今のところ彼だけです。
3D映画でのシャドームーンは別にして。
まぁファンからの抵抗もあったんでしょうけれども、一番の理由は予算じゃないですかね。
ミニチュアセット組むだけで、かなりお金食うだろうし。