『訴えてやる!大賞/本当にあった仰天裁判73』 ランディ・カッシンガム
2006年 07月 31日
ちなみにステラというのは、買ったコーヒーを膝にこぼして火傷を負い、売ったマクドナルドを訴えて見事に大金を手にしたステラ・リーベックというお婆さんの名前から採ったもの。確かこの事件、日本でも大きく報道されていたはず。

「パーティー会場の帰途、ガールフレンドの車を借り、酔っ払い運転の挙句に事故を起し死亡した少年。彼は未成年で無免許だったが、そんなことにおかまいなく彼の母親はビール会社と販売店、車を貸したガールフレンド、車を与えたその母親、更にパーティー会場の持ち主や、その家を借りていた少女までをも訴えた。」
「太りすぎで喫煙者の女性は、医者に行くたびに、食事を減らすように、運動をするように、タバコをやめるように言われていたにもかかわらず、心臓発作を起し心臓病患者となってしまった。ところが彼女は、健康増進に励むように彼女を説得するために充分なことをしなかったとして、医者や政府に対して訴訟を起した。」
「友人の運転する車に同乗していて事故にあい、車外に投げ出されて重傷を負った女性は、シートベルトの安全で正しい使い方を説明しなかったとして自動車メーカーを訴えた。」
「酔っ払ってピザレストランの前に止めてあったトラックの下にもぐりこんだために轢き殺された青年。母親は、息子の行く手をふさぐようにトラックを止めさせたとしてレストランを、走り出す前にトラックの下を確認しなかったとして運転手を、酔っ払った息子に飲ませるのを止めなかったとしてバーとその所有者を、それぞれ訴えた。」等々。
本当にバカバカしく思わず笑ってしまうような事例が多いのだが、次の瞬間、これが全て実際に起された訴訟の一部であることに、言いようのない戦慄を覚えてしまう。
アメリカは訴訟大国だと聞くが、その実態がこんなもんだとは哀しいものだ。

巷では懲罰賠償290万ドル+治療費20万ドルが信じられてますね(陪審員が出した額)
*実際の判決は治療費20万ドルは原告過失20%、マクドナルドの過失80%とし過失相殺で16万ドル
懲罰賠償は48万ドルて64万ドル(弁護士の取り分ひいたら30万ドル強が受け取り額)ですね

●始めは治療費の請求とコーヒーの温度にたいする対策の要求だった
●裁判においてマクドナルド側は、原告側を賠償目的とし原告の人格否定を中心に裁判を戦ったため裁判官らの心証をわるくした
●コーヒーの温度にかんするクレームは年100件程で10年で1000件以上のクレームがきていた(従業員の中からも熱いのではとの声もでていた)
裁判では、この数では0に等しいので対策の必要性はないとして無視し続けてきた
●裁判においてマクドナルド側がコーヒーの温度が85℃以上(ドライブスルーのコーヒーの温度は高めになっている)である必要性を理論立てて説明できなかった
など、裁判においとマクドナルドがかなり傲慢な態度で取り組んでいたために、裁判官や陪審員の心証を悪くして負けたわけですが
温度にたいするクレーム(注意書きが小さい、不安定な車内で温度が高いと危険ではないか…など)を無視し続けてきたのは大きかったと思います
この事件も細かく追っていけば、それだけで一冊の本になりそうな題材ですしね。