劇場に『ドラえもん』を観に行ったら、オマケでやっていたのでついでに観た。
…という感覚なのだけれども、実際は逆。
50分足らずの『ドラえもん』に対してこちらは90分強で、堂々たるメイン作品なのだ。
2年連続春休みにヒットを飛ばした『ドラえもん』(と藤子不二雄作品)を、今年は夏休みにも公開しようということから生まれた企画である。
時は21世紀、江戸時代から続く由緒あるホテル”つづれ屋”は、あまりにもオンボロなために他のホテルに客を奪われ、いつも開店休業状態。
21エモンはその”つづれ屋”21代目の跡取り息子なのだが、夢は宇宙船のパイロットになることだった。
隣に立つギャラクシーホテルの支配人は、邪魔な”つづれ屋”を閉鎖に追い込もうと、21エモンを言葉巧みに誘い出し、宇宙旅行へと連れ出す。
21エモンが夢を追い続け、後を継がないようにとの企みだったのだが…。
ということで予備知識ナシで観たのだが、そこは藤子・F・不二雄ワールド、しっかりと楽しめた。
後にTVシリーズにもなっているけれども、本作がパイロットの役目を果たしていたのだろうか。
同時上映の
『ドラえもん/ぼく、桃太郎のなんなのさ』には、タイムマシンの操作を誤ったドラえもんたちが21世紀へ来てしまうシーンがあるのだが、その際にドラえもんの後ろにちっちゃく映っているのが、実は本作の主人公21エモン。
その同じカットがこちらにも使われているので、この作品だけ観ていると「あれ?なんでドラえもんが映ってるの?」と疑問に思うだろうが、劇場で続けて観ていると思わずニヤリとしてしまう趣向が凝らされている。