『機動戦士ガンダムIII/めぐりあい宇宙編』(1982)
2006年 08月 13日
TV版43話を単純計算すると約18時間。劇場版3作通算だと約7時間半。ということは半分以上が削ぎ落とされているのだが、それでもこれだけの分量があると『ガンダム』の全てを観た気分にさせてくれる。11時間近くあるフィルムを2時間強でまとめてしまったが故に、どうしても欲求不満に陥ってしまう『宇宙戦艦ヤマト』とはそこが大きな違いだ。
そしてこの3作目は、素材となっているエピソード数も一番少なく、また新たに加えられたカットも増え(かなりの部分を差し替え)、それにスタッフの劇場版に対する経験値も上がってきたのか、非常に見応えのある作品に仕上がった。前2作とは雲泥の差で、一本の映画を観たなという気分にさせてくれるのである。
TVシリーズを知っているか、前2作を観ているか、或いはそれ相応の知識なしでは楽しめないのは致し方ない面もあるが、ただ残念だったのは音楽の使い方。
TV版では最初に音楽をまとめて録音しておき、後は場面に合せてストック音楽から使用するという方法が使われる(途中で追加録音されるケースもある)。つまり第1話であろうが最終話であろうが、似たようなシチュエーションでは同じBGMが流れることも珍しくなく、それが逆にある種の安心感を与えてくれるのであるが、この劇場版では1作目こそTV版の代表的なメロディーの再録音曲が大半を占めたが、以降の作品では一度使ったメロディーの再流用は極力避ける方針が採られたようで、特にこの3作目は新しいメロディーのオンパレードになってしまった。
ということで耳馴染みのないメロディーが全篇を彩ることになってしまい、微妙な違和感を醸し出してしまっているのだ。
さてご存知のように、先日この作品でブライト・ノアを演じていた鈴置洋孝の訃報が伝えられた。
既にセイラ・マス役の井上遥、マ・クベ役の塩沢兼人の諸氏も鬼籍に入られている(主題歌を作曲して歌っていた井上大輔も)。
作品を観ている間は楽しんでいるのだが、観終わったあとで言いようのない寂しさに囚われてしまった。改めて諸氏のご冥福をお祈りしたい。
声の出演:古谷徹(アムロ・レイ)、鈴置洋孝(ブライト・ノア)、 井上瑶(セイラ・マス)、白石冬美(ミライ・ヤシマ)、 古川登志夫(カイ・シデン) 監督:富野喜幸 原作:矢立肇/富野喜幸 キャラクターデザイン:安彦良和 音楽:渡辺岳夫/松山祐士 これは1982年の劇場版アニメで、0079ガンダム完結編です。 前作はジャブローでの戦いを終えて再び宇宙へ旅立つところで終わりとなりました。本作では、そのホワイトベースの戦士達を筆頭に連邦とジオンの最終決戦を描いています。反攻の勢いを強め...... more
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だけど本当、鬼籍に入られた方、多くて残念でございます。
ありがとうございました。
鬼籍に入られた方が多いということは、それなりに自分も歳を重ねたということなんですが(苦笑)、それでも皆さん早過ぎます。
なんだか観るのが辛い作品が増えてきたのは寂しいですね。