『コンチェルト・セレナータ』 竹松舞
2005年 08月 15日
ハープというと独奏曲、あるいは室内楽のイメージが強いと思います。オーケストラに参加しても縁の下の力持ちか、せいぜいポイントで使われて場をさらうような扱いですが、このCDに収められたロドリーゴの「セレナータ協奏曲」とピエルネ作曲の「ハープ小協奏曲」の2曲はハープとオーケストラのための協奏曲。ハープとオーケストラが丁々発止とやりあうわけです(演奏は飯森範親:指揮の日本フィルハーモニー交響楽団) 。
聴くまで2曲ともその存在は全く知りませんでしたが、元々取上げられる機会があまり多くないようです(作曲家も、「アランフェス協奏曲」のロドリーゴはともかく、ピエルネの方は一般的に知られた存在じゃないと思います。調べてみると、色々面白いというか、凄い経歴の持ち主のようですが)。
ただ一度聴けばそのロマンチシズムというか、メロディの美しさにはまってしまい、冒頭に挙げた竹松舞本人のコメントにも素直に共感出来た次第。ハープが前面に出すぎるのでもなく、かといってオーケストラの物量に埋もれてしまうのでもない、絶妙なバランスの演奏、かつ録音になっていますのでとても聴きやすいものになっています。