『スター・トレック2/カーンの逆襲』(1982)
2006年 10月 21日
・・・ではなかったようですね、どうやら。大金を投じた割りに思ったほどの興行成績が収められなかったために、スンナリと決まったわけではないようです。予算の規模は縮小され、プロデューサーであり、シリーズのクリエイターであったジーン・ロッデンベリーは、所謂”原作者”としての扱いとされ、実質的には以後のシリーズ作品への参加が許されなかったのだとか。
もっともその結果こじんまりとしたTVシリーズ版に近い雰囲気になり、超大作然とした前作に戸惑いを覚えたTVからのファンを呼び戻すという怪我の功名にも繋がったようですが。
そのTV版の雰囲気というのはストーリーにもハッキリと反映していて、これはTVシリーズの1エピソード「宇宙の帝王」の続編として作られています。タイトル・ロールのカーンというのも、この時の1ゲスト・キャラクターに過ぎないのです(演じているのはTVの時と同じリカルド・モンタルバン)。ということで、TV版を知らない人には些か辛い内容ではあります。
実は自分も『スター・トレック』初体験はこの作品。前作との二本立てを名画座へ観に行ったのですが、タイムテーブルの関係上、こちらを先に見る羽目になりました。その頃はキャラクター名を多少知ってる程度でしたので、最初のうちは辛かったですねぇ。何せ「なんでミスター・スポックはあんなに無愛想なんだ?」などと思いながら見ていたくらいですから・・・。
後になってTV版の「宇宙の帝王」も見て、なるほどこう繋がっていたかのかと思った次第なんですが、ま、TVと映画の予算の違いだとか、時代や技術的な差(単純に言えばTV版と映画版では15年くらいの開きがある)は置いておくとして、逆に非常に気になってしまったのが、エンタープライズ号クルーの一人、チェコフの扱い。
この作品ではチェコフはエンタープライズ号からリライアント号の副長へと転属(昇進)していて、それでカーンの復讐劇の最初の犠牲者になってしまうのですが、その際に二人は旧知の間柄としての会話を交わしています。初見の観客に対してTVと映画の橋渡しをする役目を担っているのですが、ところが「宇宙の帝王」が製作された第1シーズン当時、チェコフはエンタープライズ号のクルーじゃないんですよね。彼がレギュラー入りするのは、確か第2シーズンからで両者が面識あるわけがないのです。まぁ細かいことは気にするなと仰る方もいらっしゃるでしょうが、どうせなら他のキャラクターに置き換えれば良いものを。これはスクリプト段階でのスタッフのチェック・ミスですね。勿体無いことです。
勿体無いといえば、この作品で比較的出番の多いキャラクターにバルカン人の女性仕官サーヴィック大尉がいます。演じているのはカーティス・アレイという女優さんですが、その彼女、キリっとした顔立ちでスタイルも良く、なかなか魅力的なのですが、ギャラに不満を持って続編へのオファーは断ってしまったんですよね。まぁそういう性格だからこそ、この役柄にハマっていたのかもしれませんが・・・。
宇宙大作戦「宇宙の帝王」カーンが登場します。1982年 アメリカ 113分 監督 ニコラス・メイヤー 脚本 ジャック.B.ソワーズ 原案 リーヴ・ベネット ジャック.B.ソワーズ 見るのは2回目です。1回目は「宇宙の帝王」が未見状態で前半のカーンが復讐に燃えるシーンがイマイチつかめませんでした。今回はバッチリですよ!! ... more
評価 ★★★☆☆ TVシリーズのエピソード「宇宙の帝王」を元に、提督に昇進したカークがこれまでの因果の報いを受ける、といった内容。優性人類カーン(リカルド・モンタルバン)はカークによって未開の惑星に追い... more
STAR TREK II THE WRATH OF KHAN [DVD/購入/観賞歴あり] Star Trek Com 今週のスタートレックナイトで2〜4が上映されるが、DVD上映なのであまり行く気がない。というか全部持ってるし、第1週で観たファーストが音がよくなかったからね。 そんなわけでジェネシス3部...... more
自分は画面に出てこないだけで、実はチェコフもエンタープライズに乗っていた、と解釈してました(笑)。
確かに彼でしか出せない味ではありますね、カーンに操られるあたり。
スポックやマッコイは論外だし、スールーやスコットでも微妙でしょうか。
この作品の原作小説は大のお気に入りです!
特にスポック艦長とサーヴィック中尉との関わり合いですネ。
ロミュランとヴァルカンのハーフという宿命を背負い、生きるサーヴィック、
彼女を支え、忍耐強く導こうとするスポック艦長
彼も地球人とのハーフという独創的な生き方に悩んでいました。
御存知の経緯でカースティ・アレイが降板した訳なのですが、
「スター・トレック6・未知の世界」
あの作品で、キム・キャットラルが演じたボォラレスは、初稿ではサーヴィックだったとのことです。
そのままなら、どれだけ作品の深みが増したでしょう(残念!)
「カーンの逆襲」
泣ける作品です・・・〆
サーヴィックは劇場版のレギュラーといっても良いキャラですからね。
『VI』に出ても不思議じゃないですねぇ。
それと、映画見ているだけじゃわかりませんでしたが、彼女ってロミュラン人との混血なんだ!?