『007/黄金銃を持つ男』(1974)
2006年 11月 07日

シリーズ通算9作目で、3代目ロジャー・ムーアに代ってからは2本目の今作、ジェームズ・ボンドと対するのは凄腕の殺し屋スカラマンガ、通称”黄金銃を持つ男”であります。
演じているのはハマー・プロの一連の作品でドラキュラを当たり役としていたクリストファー・リーで、この人は原作者イアン・フレミングの従兄弟。生前のフレミングは映画化第一作の悪役ドクター・ノオにリーを推していたそうですし、その時のボンド役候補者の中ではロジャー・ムーアを気に入っていたとのことなので、この二人の対決はフレミングの希望が形を変えて実現したと言っても良いでしょうね。そしてこの作品がフレミングの遺作だというのも何やら因縁めいています。

一方、アクションは不得手だと語るムーアも、この作品では良く動いています。おそらく多くのシーンでスタントマンのお世話になっていると思われますが(苦笑)、それも目立ちません。またスカラマンガの愛人を平手打ちにしたりと、コミカル一辺倒ではないハードな面も見せてくれています。
しかしながら物語はどうもピンボケといった感じですね。
報酬さえもらえばどんな相手も一発必中のスカラマンガが、太陽熱をエネルギーに変換する新発明を兵器に転用するというのは何だかそぐわないし、東南アジア、特にタイや香港を舞台にしたのは兎も角、敵にも味方にも空手使いを用意したのは如何にも空手映画ブームに迎合しているようですし(ブルース・リーの『燃えよドラゴン』はこの前の年に公開になってます)、前作にちょこっと出てきて笑いを誘ったペッパー保安官を再登場させ、今度はボンドと行動を共にさせるのもやり過ぎだと思います。
興行的にも成功とは言えなかったようですし、長年アルバート・R・ブロッコリとコンビを組んでシリーズを製作してきたハリー・サルツマンも、様々な事情から本作を最後にチームを離れるなど、シリーズ全体に暗雲が立ち込めてしまいました。

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五つ星評価で【★★なんでこんなアクションの繋ぎ繋ぎが退屈なんだろ】 初見。 うひひひひひひ、つまらん。 もちろん予告に組み込まれるようなイカしたカットも多々あるけ ...... more

何度も訪ねたりしてスミマセン!
ОО7は大好きなので、ついつい熱くなってしまいます(笑)
この作品では、スカラマンガとの決闘が重要なので、
当初、「シェーン」の悪役ジャック・バランス氏にオファーしたところ、
“次回作が決まり、出演出来ない”
と断られてしまったそうです。
代わりにクリストファー・リー氏となったわけですが、
この時、ジャック・バランス氏が選んだ作品がなんと・・・、
「ドラキュラ」映画だった、という嘘みたいな話です(笑)
「女王陛下のОО7」にも似た話がありますが、
またの機会に譲らせて頂きます・・・〆
いつでも気軽にお立ち寄りください♪
この作品、『シェーン』の007版を狙っていたようですね。
でもクリストファー・リーで結果オーライだったような気がします。
『女王陛下の007』の裏話というと、『シャラコ』の件でしょうか。

「シャラコ」
その通りですっ!!(笑)
降板したコネリーの相手役候補だったブリジット・バルドー、
その2人が奇しくも共演と相成ったのですよネ(不思議・・)
いやぁねエクスカリバーさんには一本取られてしまいました。
いえ、脱帽です♪
えへへ。
この話は、「007」マニアだった先輩に教えてもらいました。
今では関連本などでも紹介されることもありますね。
コネリーとBBの組み合わせだったら、『女王陛下~』はかなり濃い作品になっていたでしょう(苦笑)。
初々しさのあるレイゼンビーとダイアナ・リグの組み合わせで正解だったんじゃないでしょうか。
もっともこの作品だったらコネリーも芝居どころがあるので、『~二度死ぬ』ほど毛嫌いすることなく演じられたかもしれませんが。

クリストファー・リー、もう90歳を超えてますけど『ホビット』でも健在だし格好良いですね。
三つ目の乳首は結局なんだかよくわからなかったんですけど、スカラマンガを識別する印ってことで設定されたんでしょうが、まあこの設定は無くても支障はなかったような。フレミングの考えることはどうも斜め上を行ってるようで・・・。