『007/美しき獲物たち』(1985)
2006年 11月 29日
登板した当初は若々しさを売り物にしたムーアも、早や還暦間近。流石にクローズアップ・ショット等では老いが目立ち、アクション・シーンはスタントマンばかり。序盤のパリ市内での追跡戦(エッフェル塔を舞台にした追いかけっこ)からラストの金門橋の上のシークエンスまでアクションも充実しているが、スタントがバレバレでは興醒めである。ただ編集のテクニックは見事で、知らずに観ていれば気付かないかも?但し相変わらず余裕タップリのロジャー・ムーアの演技は良い味を出しているし、対するゾリン役のクリストファー・ウォーケン(デヴィッド・ボウイも候補だったとか)やそのボディ・ガードということで異色のボンド・ガールとなったメイ・デイを演じたグレース・ジョーンズらも熱演。殊に女版”ジョーズ(リチャード・キール)”といった感じの役どころのジョーンズはちょっとした儲け役。
正規の(?)ボンド・ガールが『チャーリーズ・エンジェル』のタニヤ・ロバーツ、脇に『おしゃれ(秘)探偵』のパトリック・マクニーといったジャンル作品の主演クラスを揃えたのは、スタッフの遊び心だろうか。
競馬場、更には馬の競売から遂にシリコンバレーの壊滅へと向かうストーリーのヒネリ具合やスケール感もなかなかだと思うが(プロットそのものは『ゴールドフィンガー』の焼きなおしだ)、過剰なというか不必要なユーモアが盛り込まれ過ぎた結果、冗漫な印象を与えているのは残念。娯楽作品としては水準以上だと思うが、有終の美を飾った、とはちょっと言い辛いか。
また今作を最後に、マニーペニー役のロイス・マックスウェルもシリーズを降板している。Mは途中で役者が代り、Qは登場しない作品があるので、シリーズ皆勤賞は彼女だけである。
子供の頃、テレビで見た記憶があります。
当時洋楽ブームの第一人者的存在だった?「デュランデュラン」の主題歌と、敵キャラグレースジョーンズの不気味な存在が強烈に印象に残っています。あとはエッフェル塔での追跡劇(笑)
私にとって、物心ついた頃から007=ロジャームーアでした。今は、先にショーンコネリーの方を見たかったという気持ちが強いんですが、その当時はムーアがとてもかっこよく、お洒落なおじさんという憧れの存在でした。声担当の広川さんの力も大きかったりして(笑)
この作品含めてロジャー・ムーアの声というと広川太一郎というイメージ強いですけど、TVドラマの『ダンディ2』ではムーアの声がささきいさおで、広川太一郎は相棒のトニー・カーティスをアテていたりするのでちょっとややこしい・・・。
この作品が劇場鑑賞デビューでした。でも不純な動機で観たためあまり覚えてませんでした、、、
スタントバレバレでしたか^^;
まぁ年齢的に仕方がないとは思いますね。
私はあまり気になりませんでしたけど(笑)
背格好の似ている人がスタントを勤め、編集テクニックを駆使しているあたりは流石にハリウッド大作だなぁとは思うのですが、やはり意識してしまうせいかスタントマンはバレバレです(笑)。
ごくごく一般的な観客ならば気付かないのかも知れませんし、年齢を考えれば致し方ないですが。
この作品にはチョイ役でドルフ・ラングレンが出ているんですね。
まだ『ロッキー4』のドラゴ役で注目される前。といっても、結局はその後もあまりパッとしないまま現在に至る・・・というのがちょっと残念。
しかしそれよりも、ゆかりんさんの「不純な動機で観た」という一文が気になります(爆)。
なんだろー?





