『スーパーガール』(1984)
2006年 12月 09日
その”アルゴ・シティ”の心臓とも言うべき<オメガ・ヘドロン>が失われ、彼女はそれを取り戻すべく地球へとやってくる。カーラは、クラーク・ケントの従妹リンダ・リーを名乗って地球での生活を始め<オメガ・ヘドロン>の消息を追うが、一方それを手に入れた魔女セレナは世界征服を企んでいた。
・・・と書くとスケールの大きな冒険譚のようだが、実はたまたま出会った”まあまあハンサムな”イモ兄ちゃんを二人で取り合うだけの話。バカバカしいっちゃバカバカしいが、それもまた楽しい。『スーパーマン』でのマーロン・ブランドやジーン・ハックマンの起用に対抗してか、こちらにはピーター・オトゥールやフェイ・ダナウェイ、ブレンダ・バッカロらが出演しているが、各人が大真面目に演じているのも良い。
ジェリー・ゴールドスミスの音楽も出色だが、この時期は『スター・ウォーズ』の後の『スター・トレック』、『レイダース/失われた≪聖櫃≫』の後の『キング・ソロモンの秘宝』、そして『スーパーマン』の後のコレという具合に、どういう訳かジョン・ウィリアムズの後追い企画ばっかり担当させられていた印象がある。それに監督作品ではずっとウィリアムズとコンビを組んでいたスティーブン・スピルバーグが、『ポルターガイスト』や『グレムリン』などのプロデュース作品だとゴールドスミスに任せていたのは何故だろう。
『スーパーマン』シリーズとのリンクとしては、マーク・マクルーア演じるレギュラー・キャラクターの新聞記者ジミー・オルセンが、リンダのルームメイトとなるルーシーのボーイフレンドとして登場することと、そのルーシーが”スーパーマンの恋人”ロイス・レーンの妹だということに留まる。肝心のスーパーマンは公務のため出張中ということで不在、ポスターのみの出演だ。
映画の出来そのものは決して誉められたものじゃないし、興行的にもペケ。確か欧米圏よりも日本での公開が先になったらしいし、それも夏休み興行ながら2週間程度の短期限定。公開後4~5日くらいで観に行っているけれど、その時も劇場はガラガラだった。でも、ミニスカートをヒラヒラさせて頑張っていたタイトルロールのヘレン・スレイターの可愛さに免じてあげよう。
シリーズ化も、スーパーマンとの共演作の実現も幻に終ったが、本家スーパーマンが復活した今、こちらも復活させてくれないものか。ただ最近ではスーパーマンの従妹という設定はリセットされたと聞いているので、そのあたりの扱いが微妙になるかな。
1984年(Supergirl) 製作国:アメリカ 監督:ヤノット・シュワルク 製作総指揮:イリヤ・サルキンド 製作:ティモシー・バリル 脚本:デビット・オーデル 撮影:アラン・ヒューム 音楽:ジェリー・ゴールドスミス amazon.co.jpで詳細を見る。 スパークリング・ファンタジー!!超能..... more
思いつくまま気の向くまま・・・・なんて、とんでもないです。
すごい情報量ですね?
業界の方かなにかでしょうか・・・・・頭が下がります。
これからも、よろしくお願いします。
こういうのはお約束みたいですね。
日本ではあまり見られないパターンなんですが。
日本にもあればなぁと思います。
独立して単独の主演作という風にはなかなかいきません。
他にも”女性版「仮面ライダー」”というような紹介のされ方をする作品もないではないですが、そういうのは本家とは何の関係もない亜流作品か、さもなければパロディ物。
戦隊ヒーローの中には一人か二人の女性がいますけれど、まだまだ女性ヒーローは一部のマニア限定といったところでしょうか。