『007/消されたライセンス』(1989)
2006年 12月 10日
もはやスパイ・アクションではなく、復讐鬼、処刑人としてのボンドを描いた異色作で、既にイアン・フレミングの原作は全て使い切っていたため、題名共々映画用のオリジナル作品となった(一部、原作から借り受けたシーンやキャラクターはあるが)。
それでもティモシー・ダルトン演じるところのボンドは原作ファンには歓迎されたものの、『インディ・ジョーンズ』や『リーサル・ウェポン』といった後続のシリーズ作品がライバルとして圧し掛かり、その中に埋没してしまった感もある。

ただ、無名時代のベニチオ・デル・トロらを従えながらも、ロバート・ダビィーが悪の親玉ではちょっとスケールが小さいか。自分を裏切った女に固執していたり、何でもわかっているような顔をしながら、結局はボンドに手玉に取られている様はちょっと情けない。
この後、権利関係のゴタゴタがあって、シリーズは6年という最長の中断期間を迎えてしまう。そしてその間にティモシー・ダルトンが契約を残しながら、僅か2作品で降板。シリーズに暗雲が立ち込めることになる。

007シリーズ第16作、ティモシー・ダルトン2作目にして最後の007である。 なんかボンド、かつてなく激情に走ります。走り回った挙句、多方面に迷惑をかけます(^^; アクション映画としては全然悪くないのに興行成績が伸び悩んだのは…、ボンド自身の余裕の無さのせいかな。 私情に走ってスパイじゃなくなったとか、エグい殺傷シーンが足を引っ張ったという説もあるけど、rukkia的にはボンドが英国紳士の余裕を失っていたからだと思うのだ。 命令通りに動かなかったり余計なことしたりは今までだって結構ある。今時、エグ...... more

【LICENCE TO KILL:1989/09】製作国:イギリス/アメリカ監督:ジョン・グレン主題歌:グラディス・ナイト出演:ティモシー・ダルトン、キャリー・ローウェル、ロバート・ダヴィボンドとフェリックス(ヘディソン)が逮捕した麻薬王サンチェス(ダヴィ)は部下の手で脱走、....... more

五つ星評価で【★★★前半快調、後半記憶欠如】 劇場鑑賞以来の再見。 そういや昔も後半で睡魔に勝てずに寝た気がする。 ブレがないな、俺(ダメじゃん)。 ロバート・ダ ...... more

原作は使い切ってしまってたんですね、、、
確かにオリジナルっちゃオリジナルな感じでした。
ほんっとに何も知らないやつですみません^^;
007とは別物として観ると面白かったんですけど、ちょっと複雑な感じでした。
以後、最新作の『カジノ・ロワイヤル』までその傾向は続きます。
ただ細かなエピソードやシチュエーションは、他の原作作品の中から取り込んだりもしているようですね。
まぁあんまり原作読んでないので、そのあたりは詳しくないのですが・・・。

敵が麻薬王で、その情婦と仲良くなったり、物語のきっかけがボンドの同僚の殺害(実際は傷害ですが)だったりと、実は『死ぬのは奴らだ』に似てるのかもしれない。
一方で新しい作家たちによって小説シリーズは書き継がれてますが、こちらを映画化する気はないみたい。やっても良いと思うんだけどなあ。