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『サンタクロース』(1985)

毎年クリスマスになると、近所の子供たちに手作りの玩具を配ってまわる樵のクラウス夫妻。ところがある年のこと、隣の村へプレゼントを配りに出掛ける途中で、猛吹雪に巻き込まれてしまう。
気が付くと二人は妖精たちに囲まれ、北極にある彼らの国へと案内される。そこでは世界中の子供たちにプレゼントする玩具を作っており、クラウスは永遠の命を与えられ、子供たちにプレゼントを配る役目を担ったサンタクロースとなったのだった。
幾世紀も流れた現代、サンタの助手を務める妖精のパッチは、玩具の製造をオートメーション化しようと試みたのだが、欠陥品が出来てしまい、サンタの信用は地に落ちてしまう。サンタに見放されたと感じた失意のパッチは、妖精の国を出て人間界へとやってきた。そこでもう一度サンタに認められようとするのだが、そうとは知らずに悪徳オモチャ会社の社長BZと手を組んでしまうことに・・・。

『サンタクロース』(1985)_e0033570_23344484.jpgダドリー・ムーア、ジョン・リスゴーら豪華キャストを揃え、巨費を投じた、アレキサンダー・サルキンド・プレゼンツ、イリヤ・サルキンド&ピエール・スペングラー製作による、『スーパーマン』『スーパーマンII/冒険篇』『スーパーマンIII/電子の要塞』、そして『スーパーガール』に続く”スーパーヒーロー・シリーズ”(?)の第5弾
監督は『スーパーガール』に続いてヤノット・シュワルツが担当し、音楽はヘンリー・マンシーニ。タイトル・ロールのサンタクロース役はデビッド・ハドルストン。
主題歌はシーナ・イーストンが歌っている。

この作品、子供だましだとか色々言われているが、お子さまランチとしては上出来の部類に入る。文芸大作とか理詰めの作品が好きな輩には受けないだろうが、こういう作品の悪口しか言えない人は心寂しい人間なんだろうな。

――と当時のメモに書いてあったが、今見ると随分薄っぺらな作品だなぁと感じた(苦笑)。それでもジュブナイルとしては佳作の部類だろう。

最近、中古だが吹替版のビデオを入手したので今回はそちらを見たが、若山弦蔵、青野武、阪脩、中西妙子、永井一郎、納谷六朗、菊地英博、渕崎ゆり子らベテラン陣を配したキャスティングは安心して観ていられる。この吹替版は劇場でも公開されたものだし、この頃は劇場公開と同日にビデオを発売、などということもやっていたっけ。

しかしながら『スーパーガール』、そして本作と続けてヒットから見放されたことから、プロデューサー連は『スーパーマン』映画化の権利を手放すことになったが(その結果、当時は新興勢力だった今は亡きキャノン・フィルムが権利を入手し、『スーパーマン4』を製作した)、その後も『コロンブス』を映画化していたりと、彼らはヒーローには並々ならぬこだわりがあるようである。

劇中、一番出来の悪いトナカイが”ドナー”と名付けられているが、これは最初に監督のオファーを出したリチャード・ドナーに断られた腹いせだとの噂が・・・。
そのドナーはスティーブン・スピルバーグのプロデュース作『グーニーズ』の監督を務めており、同じくスピルバーグ・プロデュース、ロバート・ゼメキス監督の『バック・トゥ・ザ・フューチャー』や、ロン・ハワード監督作品『コクーン』と共に、日本では同時期に正月映画として激突している。
ちなみに『コクーン』はスピルバーグの出世作『ジョーズ』や、その続編でヤノット・シュワルツが監督した『ジョーズ2』と同じリチャード・D・ザナック&デヴィッド・ブラウンの製作作品だが、こちらは当初ロバート・ゼメキスが監督候補だったりと、何やらこの4作品は因縁だらけ
by odin2099 | 2006-12-23 23:34 |  映画感想<サ行> | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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