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『敬愛なるベートーヴェン』(2006)

『敬愛なるベートーヴェン』(2006)_e0033570_949504.jpg
交響曲第9番の初演を、四日後に控えたベートーヴェン。
しかしながら、未だに終楽章の合唱パートが完成していなかった。
そこで音楽学校の優秀な生徒を写譜師として雇おうとしたのだが、そこに現れたのは作曲家を志す女性アンナ・ホルツ。
最初は彼女を拒絶するベートーヴェンだったが、彼女が並々ならぬ才能の持ち主であり、なおかつ自分の音楽を理解していることを見て取ると、彼女を採用する。
そして初演の日がやって来た。
ところがベートーヴェンは、耳が不自由なこともあって満足に指揮の出来ない自分に絶望していた。
そこでアンナがオーケストラの間に入り、ベートーヴェンにテンポや楽器の入りなどの合図を送ることによって、言わば二人三脚の指揮で演奏を始める。
そしてそれは見事な成功を収め、ベートーヴェンは「二人の力だ」と賞賛を贈る。
翌日アンナは、自分が書いた曲をベートーヴェンに見せるのだが、返ってきたのは不躾で悪ふざけが過ぎる無神経な反応だった。足早に掛け去るアンナの姿に、自らの過ちに気付いたベートーヴェンは彼女を追うのだが…。

『敬愛なるベートーヴェン』(2006)_e0033570_950812.jpgベートーヴェンの交響曲第9番が完成した背景には、一人の優秀な女性の存在があった、とするフィクション。
最初エド・ハリスがベートーヴェンを演じていると聞いた時はイメージが全く結びつかなかったのだが、実際に作品を見てみるとあの有名な肖像画の雰囲気は良く出ている。
というよりも、知らないで観ていたらエド・ハリスだとは気付かなかったかも知れない
『不滅の恋/ベートーヴェン』では、傷つき壊れやすい心を持つが故に攻撃的になるベートーヴェン像をゲイリー・オールドマンが好演していたが、こちらのベートーヴェンは同じ気難し屋で偏屈ではあるものの、もっとお茶目なキャラクター。
ストイックで孤高でプライドが高いだけ余計真剣に恋に悩むベートーヴェンも悪くないが、憎めない「敬愛」されるベートーヴェンも捨てがたい。
またアンナを演じたダイアン・クルーガーの凛とした美しさも光っている。
『トロイ』の時はコスチューム・プレイを演じるには現代的過ぎると思ったものだが、この作品を見る限りではシックリとはまっている。
今後の活躍にも期待が持てそうだ。

Tracked from Sweet* Days .. at 2007-01-20 17:21
タイトル : 『敬愛なるベートーヴェン』
CAST:エド・ハリス、ダイアン・クルーガー 他 STORY:1824年、ウィーン。音楽学校に通うアンナ・ホルツ(ダイアン・クルーガー)は、ある作曲家の写譜を依頼される。その作曲家とはアンナの尊敬するベートーヴェン(エド・ハリス)だった・・・・ 原題は「Copying Beethoven」。 って事で、晩年のベートーヴェンと、彼が書いた譜面を清書する女性を描いた作品です。 で、なかなか良かった~☆ 変人で偏屈なベートーヴェンと、彼の扱いに手を焼きながらも彼を尊敬してやまない若い女性。...... more
Tracked from ミチの雑記帳 at 2007-01-20 19:57
タイトル : 映画「敬愛なるベートーヴェン」
映画館にて「敬愛なるベートーヴェン」 天才音楽家ベートーヴェンと、彼のコピスト(写譜師)となったアンナの師弟愛を描いた感動ドラマ。 ベートーベンを描いた作品は『不滅の恋/ベートーヴェン』が記憶に新しいが、この作品は“第九”を生み出すまでの彼の晩年にスポットが当てられている。 写譜師とは作曲家が書いた楽譜を清書する職業。殴り書きのようなナマ楽譜を清書するには写譜師自身にも音楽の素養が必要だっただろう。初演まであと4日しかないのに写譜が出来ていない時に派遣されてきた写譜師は女性!女性に出来るわけがな...... more
Tracked from カノンな日々 at 2007-01-20 21:41
タイトル : 敬愛なるベートーヴェン/エド・ハリス、ダイアン・クルーガー
「のだめカンタービレ」の影響でプチクラシックブームが起きているというこの時期に公開されるのは意図したわけじゃないでしょうけど、なかなかのタイムリー。ベートーヴェンの晩年の物語を架空の女性コピィスト(写譜師)・アンナの視点を軸に描いていくヒューマン音楽ドラマ....... more
Tracked from シャーロットの涙 at 2007-01-20 23:37
タイトル : 敬愛なるベートーヴェン 
シャンテシネでの先行上映を一足先に見て参りました。 原題は「Copying Beethoven」 公式サイトはこちら 今年はモーツァルト&マリー・アントワネット生誕250周年なのですが、何故かベートーヴェン。音楽&クラシックファンには見逃せません。 この作品は交響曲第9番(ニ短調作品125「合唱」)が出来上がった背景とベートーヴェンの晩年にスポットを当て、数々の名曲を織り交ぜ、またサイドストーリーとして女性コピスト(写譜師)という架空(?今も謎)の人物が彼を支えた事を描いています。 有名なのは...... more
Tracked from ひらりん的映画ブログ at 2007-01-21 03:25
タイトル : ★「敬愛なるベートーヴェン」
今年1本目の劇場鑑賞は、 三連休なので日曜日でもナイトショウを開催してくれてる「TOHOシネマズ川崎」にて。 ... more
Tracked from 映画鑑賞★日記・・・ at 2007-01-21 09:56
タイトル : 敬愛なるベートーヴェン
『COPYING BEETHOVEN』公開:2006/12/09(12/09鑑賞)製作国:イギリス/ハンガリー監督:アニエスカ・ホランド出演:エド・ハリス、ダイアン・クルーガー、マシュー・グード、ジョー・アンダーソンアンナ・ホルツ・・・アンナホルッ?穴掘る?いい話なのに最初に聞いた時、こ....... more
Tracked from ダディャーナザン!ナズェ.. at 2007-01-21 12:47
タイトル : 【劇場鑑賞142】敬愛なるベートーヴェン(Copying..
“第九”誕生の裏に、 耳の聴こえないベートーヴェンを支えた女性がいた。 孤高の音楽家ベートーヴェン、歴史に隠されたもう一つの物語。 ... more
Tracked from kaoritalyたる所以 at 2007-01-22 00:30
タイトル : 敬愛なるベート―ヴェン★★★☆劇場13本目・第九のシーン..
もしかしたら見逃しちゃうかも?!と思ってましたが何とか見に行ってきました、敬愛なるベート―ヴェン。誰もが知っている偉大な作曲家、ベートーヴェンの亡くなる前の数年間を描いたもの。解説は例によって、yahooからコピペでまとめてみました。解説:孤高の天才音楽家ル...... more
Tracked from 映画ダイエット at 2007-01-22 22:46
タイトル : 劇場『敬愛なるベートーヴェン』
監督:アニエスカ・ホランド 出演:エド・ハリス、ダイアン・クルーガー、マシュー・グード、ラルフ・ライアック、ジョー・アンダーソン、ビル・スチュワート他 交響曲第九番の初演とゆーシーンがクライマックスなのかと思ってたら、この後の話がダラダラ続いたのね。苦労が..... more
Tracked from がちゃのダンジョン 映画&本 at 2007-01-23 22:05
タイトル : 敬愛なるベートーベン
『敬愛なるベートーヴェン』(2006)COPYINGBEETHOVENメディア映画上映時間104分製作国イギリス/ハンガリー “第九”完成前後の晩年のベートーヴェンに光を当て、彼とその創作を支えた一人の若き女性との心の交流を綴る音楽ドラマ。主演は「めぐりあう時間たち」「ポロッ...... more
Tracked from とにかく、映画好きなもので。 at 2007-01-26 19:41
タイトル : 敬愛なるベートーヴェン
 晩年のベートーヴェンは、筆跡が読み難いほどの乱筆だったらしい。  そんな彼の楽曲を写譜する人物がいないと楽譜は完成せず、"第九"の初演を4日後に控えた1824年のウィーン。  大学の首席でもあるアンナ・ホルツ(ダイアン・クルーガー)が、....... more
Tracked from 映画館で観ましょ♪ at 2007-02-09 22:17
タイトル : 『敬愛なるベートーヴェン』
天才ゆえの孤独・苦悩・狂気。 53歳のベートーヴェンを23歳の写譜師アンナの目を通して描かれています。 尊敬しながらも、母のように、厳しくまっすぐ、そして優しい目で包み込む感じで... “第九”が初... more
Tracked from はらやんの映画徒然草 at 2007-09-01 07:30
タイトル : 「敬愛なるベートーヴェン」 表現者にとって、理解者は何事..
漫画「のだめカンタービレ」のおかげで、普通にクラッシックを聞くことが多くなりまし... more
Tracked from デコ親父はいつも減量中 at 2007-12-02 14:49
タイトル : 敬愛なるベートーベン−(映画:2007年133本目)−
監督:アニエスカ・ホランド 出演:エド・ハリス、ダイアン・クルーガー、マシュー・グード、ジョー・アンダーソン 評価:86点 公式サイト 「初演まであと4日なのに楽譜がまだできていない」なんて話から始まるけど、そんなのありなのか?クラシックの世界はよく...... more
Tracked from ☆彡映画鑑賞日記☆彡 at 2007-12-29 13:32
タイトル : 敬愛なるベートーヴェン
 『“第九”誕生の裏に、 耳の聴こえないベートーヴェンを 支えた女性がいた。』  コチラの「敬愛なるベートーヴェン」は、年末になると必ず1度は耳にする「第九」、その誕生と彼の晩年を支えた1人の女性にスポットを当てたヒストリカル音楽ムービーです。  主演は....... more
Tracked from CINECHANの映画感想 at 2007-12-30 01:34
タイトル : 音楽とは神の息吹だ!
284「敬愛なるベートーヴェン」(イギリス・ハンガリー)  1824年ウィーン。新しい交響楽〝第九〟の初演を4日後に控えたベートーヴェンの元に作曲家を志す23歳の若き女性アンナ・ホルツがコピスト(写譜師)として訪れる。女性が訪れたことに激怒するベートーヴェンだが、徐々に彼女の才能を認め、〝第九〟の作曲を支える存在となる。昼夜を問わぬ仕事を進めていくうち、二人の間には師弟愛を越える感情が芽生える。  遂に〝第九〟の初演の日。耳の聞こえぬ恐怖を抱えるベートーヴェンはオーケストラを指揮するこ...... more
Tracked from La.La.La at 2007-12-30 11:05
タイトル : 『敬愛なるベートーヴェン』
JUGEMテーマ:映画 制作年:2006年  制作国:アメリカ  上映メディア:劇場公開  上映時間:104分  原題:COPYING BEETHOVEN  配給:東北新社  監督:アニエアスカ・ホランド  主演:エド・ハリス      ダイアン・クルーガー      マシュー・グード      ラルフ・ライアック 1824年、“第九”の初演を4日後に控えたベートーヴェンの前に美しい女 アンナがコピストとしてやって来る。当初は彼女が女性であることを理 由に認めようとし...... more
Tracked from 虎党 団塊ジュニア の .. at 2008-06-30 08:26
タイトル : 『敬愛なるベートーヴェン』'07・英・ハンガリー
あらすじ“第九”の初演を4日後に控えた1824年のウィーン。楽譜が完成しない中、ベートーヴェンのもとに写譜師としてアンナが派遣されてくる。ベートーヴェンはアンナを冷たくあしらうが彼女の才能を知り、仕事を任せることに・・・。感想詩人ランボーを描いた『太陽...... more
Tracked from miyukichin’m.. at 2008-10-15 00:44
タイトル : 敬愛なるベートーヴェン [Movie]
 映画 「敬愛なるベートーヴェン」     (アニエスカ・ホランド:監督)  を観てきました {/onpu/}    孤高の音楽家・ベートーヴェン(エド・ハリス)と、  彼の写譜師となった作曲家志望の学生・アンナ(ダイアン・クルーガー)との  師弟愛を描いた作品。  なんかね、ベートーヴェンが安っぽい感じで、  最初はめちゃめちゃ違和感ありました。{/face_hekomu/}  オチャメといえる部分もあるんだけど、  アンナの言葉を借りればまさに「粗野で下品」で。  だいたい、耳が聴こえないの...... more
Tracked from あず沙の映画レビュー・ノート at 2009-02-18 09:04
タイトル : 敬愛なるベートーヴェン
2006 イギリス,ハンガリー 洋画 ドラマ 作品のイメージ:感動、切ない、スゴイ 出演:エド・ハリス、ダイアン・クルーガー、マシュー・グード、ラルフ・ライアック 「アマデウス」のような感じを想像していたのだが、ベートーヴェン(エド・ハリス)と彼の曲を写譜するアンナ(ダイアン・クルーガー)の師弟愛を描いた... more
Tracked from mama at 2010-02-18 13:21
タイトル : 敬愛なるベートーヴェン
Copying Beethoven 2006年:イギリス・ハンガリー 監督:アニエスカ・ホランド 出演:エド・ハリス、フィリーダ・ロウ、マシュー・グッド、ダイアン・クルーガー、ラルフ・ライアック、ニコラス・ジョーンズ 1824年のウィーン。「第九」の初演を4日後に控え、いまだ....... more
Commented by はらやん at 2007-09-01 18:16 x
エクスカリバーさん、こんにちは。

僕はエド・ハリス好きなんですが、予告のときは全く気づきませんでした。
映画を観てみると、ベートーヴェンにしっかり合っていて、ナイスなキャスティグでした。
ダイアン・クルーガーもきれいでしたよね。
Commented by odin2099 at 2007-09-01 19:23
エド・ハリスってやっぱり凄い役者さんなんだな、と改めて実感しました。
硬軟どちらも演じられる人ですが、それにしてもこの役は難しかったんじゃないでしょうかね。

ダイアン・クルーガーは本文中に書いたように、あまり良い印象を持ってなかったんですけれど、この作品で見直しました。
by odin2099 | 2007-01-20 10:00 |  映画感想<カ行> | Trackback(21) | Comments(2)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


by Excalibur
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