『四つの署名』<新訳シャーロック・ホームズ全集> アーサー・コナン・ドイル
2007年 01月 22日
彼女に同行することになったホームズとワトソンは、メアリの父と一緒に軍にいたというショルトー少佐の息子サディアスに会い、夫々の父親が見舞われた悲劇とそれに纏わる秘密の財宝の話を聞くのだった。その財宝は今は兄バーソロミューの家にあるという。そこで彼らはバーソロミューの元へ向かうが、既に彼は謎の死を遂げていた・・・。
ホームズの長編第2作。
事件に関わって早々にホームズは犯人の目処をつけてしまい、あとはワトソン(と読者)に思わせぶりに情報を小出しにするだけ。途中で多少のミスはあるものの、事件そのものは割りとあっさり解決してしまい、クライマックスは犯人を追い詰めるホームズ、という具合にアクション物の様相を呈す。
そして後半は、犯人による動機、事件の背景説明に費やすという構成なのだが、終始読者が置いてけぼりにされているような疎外感も味わった。これがホームズ物の特徴といってしまえばそれまでだが、何となく馴染めないのも事実だ。