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『四つの署名』<新訳シャーロック・ホームズ全集> アーサー・コナン・ドイル

事件がなく暇をもてあますホームズの元を、一人のメアリという若い女性が訪れる。軍人だった彼女の父が帰国した直後に消息を絶ち、その数年後から毎年、謎の人物から大粒の真珠が送られてくるようになったという。そして遂にその人物から直接彼女に会いたいと連絡があり、どうしたものかと相談に来たのである。
彼女に同行することになったホームズとワトソンは、メアリの父と一緒に軍にいたというショルトー少佐の息子サディアスに会い、夫々の父親が見舞われた悲劇とそれに纏わる秘密の財宝の話を聞くのだった。その財宝は今は兄バーソロミューの家にあるという。そこで彼らはバーソロミューの元へ向かうが、既に彼は謎の死を遂げていた・・・。

『四つの署名』<新訳シャーロック・ホームズ全集> アーサー・コナン・ドイル_e0033570_2146369.jpgホームズの長編第2作。
事件に関わって早々にホームズは犯人の目処をつけてしまい、あとはワトソン(と読者)に思わせぶりに情報を小出しにするだけ。途中で多少のミスはあるものの、事件そのものは割りとあっさり解決してしまい、クライマックスは犯人を追い詰めるホームズ、という具合にアクション物の様相を呈す。
そして後半は、犯人による動機、事件の背景説明に費やすという構成なのだが、終始読者が置いてけぼりにされているような疎外感も味わった。これがホームズ物の特徴といってしまえばそれまでだが、何となく馴染めないのも事実だ。
by odin2099 | 2007-01-22 21:47 | | Trackback | Comments(0)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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