『ハリウッドで勝て!』 一瀬隆重
2007年 02月 11日
独立系プロデューサーとして苦労し、若くして『帝都物語』のような大作を成功させ、ビジネス・チャンスを求めてハリウッドへ進出、という経歴を持っている人が、自身の映画との関わりを自伝的に綴っているのですが、これを読んでいると旧態依然とした日本映画界への警鐘がひしひしと感じられますね。ただ、必ずしも日本映画界のシステム全体を否定してはいないあたりが、この人のバランス感覚なのでしょう。
しかし創刊号からの「宇宙船」読者の自分にとっては、一瀬隆重という名前はプロデューサーとしてよりも監督として認識している部分があります。
円谷プロから着ぐるみを借りてきて、オリジナルの『ウルトラセブン』を8ミリで作っちゃった河崎実監督らと並んで、ナレーターにオリジナル同様石坂浩二を起用して、『ウルトラQ』の続編を撮ったアマチュア・フィルム界の雄が一瀬隆重監督! 当時は凄く憧れたものです。そういう人がハリウッドで成功しているのを見るのは、なんか不思議な感じがしますね。
といっても関わった作品、そんなに観てはいないんですが(汗)。
『孔雀王』、『帝都大戦』、『就職戦線異状なし』、『ネクロノミカン』、『星空のむこうの国』、『リング』、『屋根裏の散歩者』、『らせん』、『北斗の拳』、『リング2』、『精霊のささやき』、『リング0/バースディ』・・・と半分にも満ちません。