『私はいかにハリウッドで100本の映画をつくり…(略)』
2007年 03月 22日
「B級映画の帝王」「大衆映画の法王」等の異名をとる、知る人ぞ知る映画プロデューサー、監督であるロジャー・コーマンの自伝。

その一方、製作費をケチるためにギャラの安い若手映画マンをコキ使い、作品を粗製乱造した面を批判する人も多く、実際に”使い捨て”にされた元スタッフ(”コーマン・スクール”の卒業生たち)からは怨嗟の声も聞こえてきているが、何でもやらされる現場を体験したことで感謝している人も少なくないようだ。
翻訳が出たのが確か1992年の初めだったと思うが(原書の刊行は1990年)、それ以来何度か読み返している一冊。
で、その内容だが、これはもう自慢バナシ、自己賛美、自己弁護、自己礼讃のオン・パレード。ただそれが、大手製作会社やハリウッドの在り様そのものへの批判にもなっているので痛快でもある。そろそろ80歳に手が届こうとしている今なお現役で映画を作り続けていられる秘訣は、そのあたりにもありそうだ。
しかしながら、大作映画の添え物から出発し、ドライブ・イン・シアターへとターゲットを変え、その後はビデオやケーブルテレビなどのジャンルへ活路を見出し生き残ってきたが、最近はやや行き詰まり気味で、あまり目立った活躍がないのが残念でもある。
大作に高確率で出演してるのも面白いですね。
「羊たちの沈黙」、「アポロ13」・・・いったい何の役で出ていたんだ?
最低ランクまではいかないものの、決してA級にもなりえないと言う・・・。
『ゴッドファーザー』などにも出てますが、だいたいお偉いさんの役ばかりです。
政府の役人とか、ナントカ委員会のメンバーとか。
若かりし頃にお世話になった連中が、ヨイショして出演依頼してるようで、本人が出たがりってことではないみたいです。