『やさしい風 ~いくつもの風景』 加羽沢美濃
2007年 05月 23日
「予算の都合」(?)でピアノソロとなってしまった表題曲「やさしい風」のオーケストラ・ヴァージョンは、夫君・飯森範親(この頃はまだ結婚前かな)指揮の室内オーケストラの演奏で収められていますし、ちさ子さんとデュオで演奏した「想い出の風景」は、こちらでは幸田聡子(現・幸田さと子)さんとのコラボレーションだったんだなぁ。
その他にも古川展生さんがチェロを弾いている曲もあったりで、何気に豪華な顔触れ。人徳なんでしょうね。
以下は「耳をすませば」からの転載。。。
一度聴けば強く印象に残るというタイプのメロディ・メーカーだとは思わないが、何度でも聴きたくなるような居心地の良いメロディーを紡ぎだす、加羽沢美濃はそんなタイプの作曲家だと思う。
このアルバムのテーマは「旅」。実際に訪れた場所から夢の世界まで、そのヴァリエーションは幅広い。よしガンバルぞ、と気分高揚する「ふるさとの風」、しっとりと泣きたい気分の「もうひとつの風景」、足取りも軽やかなおしゃれな散歩「パリ気分」、陰鬱な重み深みを味合わせてくれる「雨のプラハ」、夢幻的な「氷の洞窟」、幼い頃の想い出が蘇ってくるかのような「やわらかい日差しの中で」、素敵な日常生活「木もれ陽のティー・タイム」、郷愁を感じさせる「夕焼け雲」、そしてアルバム・タイトルにもなっている「やさしい風」・・・。曲調も雄大かつダイナミックなものから、ノスタルジックに浸るセンチメンタルなものまで、サブタイトル通りの「いくつもの風景」が奏でられてゆく。
それが単に作曲家という枠に留まらずに、アレンジャーとしても演奏家としても活躍できる彼女の強みだろう。
【収録曲】 01. ふるさとの風 ***
02. もうひとつの風景 ***
03. ヴェネチアの祈り
04. パリ気分
05. 雨のプラハ **
06. 氷の洞窟
07. 想い出の風景 *
08. やわらかい日差しの中で ***
09. ライン河の流れ
10. 埋葬された手紙 ****
11. 木漏れ陽のティータイム
12. やさしい風 ***
13. 夕焼け雲
幸田聡子(ヴァイオリン) * 古川展生(チェロ) **
飯森範親指揮 室内オーケストラ(ソロ・ヴァイオリン:後藤勇一郎) ***
後藤勇一郎カルテット&斉藤輝彦(コントラバス) ****





