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『ゲゲゲの鬼太郎』(1985)

ある日、鬼太郎の元へ関京子という少女からの手紙が届いた。
それによるとある晩、塾の帰り道に何者かにハサミで襲われたのだが、ただの痴漢には思えないのだという。
更に父親の様子も変なので、もしそれが悪い妖怪の仕業だとするならば、早く退治して欲しいと認められていた。
鬼太郎は早速京子の家に向かうが、果たせるかな、そこには妖怪の姿が…!

『ゲゲゲの鬼太郎』(1985)_e0033570_21141988.jpg
幻の「月曜ドラマランド」版
まさかこんな作品がDVD化されるとは…!?
実は本放送で観ているし、一度だけあった再放送を録画したテープもまだ持っていて一時はかなり繰り返し観ていたけど、完全版にもう一度お目にかかれるとは思いもしなかった。
今年『鬼太郎』は実写で映画化されているので、それに便乗しているのはみえみえだけどやっぱり嬉しい。
2年後に作られたビデオ映画版も同時にリリースとは、至れり尽くせり?
現在、通算5作目となるTVアニメ版も放送されているけれど、なかなか好評の様子。
鬼太郎人気は息が長いですな。

この作品は『宇宙刑事』シリーズを送り出し、次いでその後番組『巨獣特捜ジャスピオン』を担当していたスタッフが掛け持ち登板で、監督は小林義明。
「月ドラ」の枠は基本はビデオ撮りなんだけれども、この作品はフィルム撮り(後に『悪魔くん』も製作されたけれど、それもビデオ撮り)。
もしかするとこの枠では唯一のフィルム撮り作品だったかも知れない。

新宿の”眼”やミロード、西口ターミナル、或いは石神井公園など東映作品では御馴染みのロケ現場が色々と登場しているのをはじめ(池袋、というか大塚あたりが出てくるのはちょと珍しいか)、スタントもJAC(現・JAE)が受け持っているのでクライマックスは当然のように寄居の採石場!

ということで気分は完全にヒーロー・アクション物
なので鬼太郎ファン、水木しげるファンにはちょっと許せないものがあるだろうけれど、逆に東映ヒーローファンからすれば、「一反木綿!」と鬼太郎が呼ぶシーンでは「サイバリアーン!」とか「電子星獣ドルー!」とか叫びたくなるだろうし、クライマックス・バトルでは宙明節(”レーザーブレードのテーマ”!)が高らかに頭の中に響き渡るんじゃなかろうか。
エンディングがこれまた夕陽をバックに歩く鬼太郎のシルエットだもんだから、「からんころんの歌」流すより「強さは愛だ」の方が似合いだろ?!

出演は、子なきじじいに赤星昇一郎、砂かけばばあに由利徹、ねずみ男に竹中直人。
アイドル主演で、お笑い系、バラエティ系のタレントさんが脇を固めるという「月ドラ」の布陣からすれば、まぁまぁ妥当なところだろう。
これに監督と親交の深い汐路章(おっかむろ)やうえだ峻(あみきり)、それに佐渡稔(吸血鬼エリート)が妖怪役で出演していて、ボスが女ぬらりひょん。
演じている夏樹陽子がなかなか色っぽく、子ども番組としてはちょっとヤバイ?
また目玉おやじは人形で処理され、声は勿論この人、田の中勇
一反木綿は着ぐるみ(ホントに木綿で作ったらしい)と装演を組み合わせ、妖怪の変身後(?)は怪人同様の着ぐるみ。
なお、霊界郵便配達夫の役で、原作者の水木しげるが最初と最後に顔を見せている。
肝心の鬼太郎役は六浦誠という子役だが、まぁ可もなく不可もなくというか、誰が演ってもこんなもんでしょ。

だけれども、特筆すべきはヒロイン京子を演じた秦暎花!!
彼女はこの前年、『星雲仮面マシンマン』にレギュラー出演していた子役だが、他にも『宇宙刑事シャイダー』、『科学戦隊ダイナマン』、『電撃戦隊チェンジマン』などにゲスト出演していて強い印象を残していた。
当時これらの番組で注目されていた高橋かおりや磯崎亜紀子、川口智子、内田さゆりらの子役陣に比べて抜群の美少女という訳ではなかったが、飛びぬけているのはその演技力・表現力で、彼女が出ているが故にそのクオリティが上がったと思えるエピソードがあるくらいだ。
その彼女を徹頭徹尾中心に据えているだけで、誰が何と言おうとこの作品の評価は○である。
今回の作品でも、監督の持ち味というべき鬼太郎と京子との間の淡い関係が描かれているけれど、これが実に説得力があるのだ。
別れのシーンで鬼太郎を追いかける彼女の姿、結構ジーンとくるものがある。
この作品の翌年あたりから見かけなくなってしまうのだけれど(中学生になったから?)、今はどうしているんだろうか?

ところでこの作品、元々はシリーズ物として企画されていた。
ところがコンペで敗れてシリーズ化はボツとなり、その後特番として復活したわけだが、代わりにシリーズ化が実現したのが、実は斉藤由貴主演の『スケバン刑事』
結果、『スケバン刑事』は大ブームを巻き起こしたけれど、もし『鬼太郎』のシリーズ化が実現していたらどうなっていたのかねぇ…。
Tracked from みゆみゆの徒然日記 at 2007-08-27 22:08
タイトル : 『ゲゲゲの鬼太郎 妖怪奇伝・魔笛 エロイム エッサイム』
 ウェンツ主演の実写版『ゲゲゲの鬼太郎』の映画は記憶に新しいところですが、こんな鬼太郎実写版もあります。エクスカリバーさんのブログ【徒然なるままに】で、ドラマ版の記事を読んで、そういえばレンタル屋にあったな〜と思っていたんですが、テレビ放送されたのではなくこちらはビデオ作品のようです。カテゴリは映画以外のDVDにしていますが、私が借りてきたのはビデオ(VHS)です。久々にビデオを借りると、かさばるなぁ〜と思いました(笑)でもこちらもDVDで発売されているようです。  話というか、設定はどうってこと...... more
Tracked from みゆみゆの徒然日記 at 2008-08-02 23:45
タイトル : 『ゲゲゲの鬼太郎』
 さて、ウェンツ鬼太郎の映画も第2弾が公開されましたね。見に行こうかなと思っていましたが、DVDになりそう(笑)さて先日「月曜ドラマランド」の『ゲゲゲの鬼太郎』を観ました。CG全開の今の映画と違って・・・宇宙刑事シリーズのスタッフが関わっているそうで、ノリはその手の番組のラスト出てくるような岩場が出てきたりとか、ウェンツ版もよいけれど、こちらもなかなか面白いです(笑)  なんか棒みたいのが見えたような気がした目玉の親父、明らかに人が入ってる一反木綿すらも、ある意味で私の心を掴みます(笑)。ちなみに、ね...... more
Commented by Brian at 2007-08-24 19:05 x
実写版があったんですね、知りませんでした。(笑)
この年代になると、おいらの中で鬼太郎もマンネリ化してたようで・・・・。
白黒時代とカラー時代、その後のオカリナを持った時代(笑)は知ってるんですけどね。
Commented by odin2099 at 2007-08-24 20:33
僕は『鬼太郎』ファンでも何でもないので詳しくはないのですが、最初のTVアニメ版が1968年1月から1969年3月、第二シリーズが1971年10月から72年9月、その後でこの「月ドラ」版(1985年8月)があって、直後の10月から88年2月まで第三シリーズが放送というスケジュールになってますね。これがオカリナを持ってるヴァージョン(笑)。
間の1987年には実写版の2作目が、ビデオ・オリジナル作品としてリリース。
1996年1月から98年3月まで第四シリーズが放送され、そして今年は実写映画版、次いでアニメの第五シリーズがスタート。
何度も映像化されていることも凄いですが、その何れもが1年以上、場合によっては2年以上も放送が続いたというのも凄いですよねぇ。

そして皆勤賞が目玉おやじの田の中勇さん。
もう75歳になる超ベテランですけれど、後任がいませんなぁ・・・。
Commented by みゆみゆ at 2007-08-24 22:39 x
いつも行くレンタル屋さんの鬼太郎のところに、実写版のビデオがありました。まだ観ていませんが、竹中直人の名前もあったから、これですよね?なんか気になるので今度借りてみようかなと思います。

竹中直人のねずみ男が大変気になります(笑)今年の映画版の大泉洋さんもなかなかでしたが・・・・。
Commented by odin2099 at 2007-08-24 22:48
みゆみゆさん、こんばんは!

そうですかー、レンタル店にありましたか。
うちの近所の某大手チェーン店は、2店舗とも置いてなかったような・・・?

では、一週間レンタルが解禁になった頃にでも借りてみて下さい。
でもくれぐれも『鬼太郎』ではなく、『宇宙刑事』などの東映ヒーロー物だと思って観て下さいね(笑)。

>竹中直人

独特の独りよがりな演技が当時は凄く気になってました。
今観ても、あんまり印象変りませんねー(爆)。
Commented by みゆみゆ at 2007-08-25 12:04 x
私ついにボケたのかなんか勘違い?していたようです(笑)
レンタル屋さんにあった鬼太郎実写ドラマVHSは、これじゃなくて、悪魔君も出ているのでしたし、竹中直人じゃないし…(笑)

けど半額レンタルだったし、おもしろそうなんで借りてきました(笑)
Commented by odin2099 at 2007-08-25 12:14
『ゲゲゲの鬼太郎/妖怪奇伝~魔笛エロイムエサイム~』の方ですね。
こちらは実写化第2弾でスタッフも基本的には同じです。
ただキャストはほぼ入れ替えになってますけれど。

>半額レンタル
早いなぁ。
・・・と思ったら、DVDじゃなくて昔のビデオの方なのね。
そっちが置いてあるというのも、ある意味凄い!
Commented by 明智 潔 at 2008-03-06 13:42 x
僕の中では実写版といえば、月曜ドラマランドのこの作品です。
墓場に帰れ、という台詞があったり、その他、原作ファンだったらにんまりしてしまうような作りになっています。
鬼太郎役の六浦 誠さんも好感が持てます。僕的には、容貌はウエンツ瑛二さんより原作に近いのではと思います。
ストーリーも面白い!
小学生の時、見たのですが、今見ると少年向けというより青年向けです
関京子役の秦 瑛花さんも確かに良い!
エンディングで、鬼太郎の肩に乗ってる目玉の親父さんがこっちを見てる姿は微笑ましい。視聴者に、別れの挨拶をしているようです。
鬼太郎は、そのまま背を向けたまま去って行く姿はかっこいい!
全体的に、出来は良い!
Commented by odin2099 at 2008-03-09 08:23
>明智 潔様

コメント、有難うございました。
原作ファンには不評だと聞いていたのですが、なるほど、そういう見方もあるのですね。
僕は「鬼太郎」そのものに思い入れがないもので、ヒーロー物の亜流として楽しんでおります。
ウェンツ版、まだ観ていませんねぇ。
そろそろ借りてきて観ないといけないかなぁ・・・(苦笑)。
Commented by じゅいん at 2008-06-05 21:41 x
初めまして^^
当時の月曜ドラマランドの鬼太郎を検索していてたどり着きましたv
原作ファンの友人も結構気にって居る方が多いのですよ。
なんせ原作に忠実な面や、アニメと違い同じ空気の中で感じ取れる
現実感はやはり月ドラならではだったと思うからです。

秦瑛花さんは分りませんが、六浦さんは役者さんをお止めになったと
聞き入れているので、本当の意味での少年時代が残されていて私自身も懐かしいです。

あと

>彼女が出ているが故にそのクオリティが上がったエピソード

というものがどんなものだったか詳しく聞き入れたいのですが
むりでしょうか?

こんなに取り上げてもらって本当に読む手に嬉しかったですv
ありがとうございました。
Commented by odin2099 at 2008-06-05 22:49
彼女が出演している作品を全て観ている訳ではありません。
また、彼女だけの力でクオリティが上がったと詭弁を弄するつもりもありません。
ただ、例えば『マシンマン』も、彼女があの役を演じていなかったら、随分と味気ないものになったのではなかろうか、と愚考する次第です。
by odin2099 | 2007-08-23 21:14 | テレビ | Trackback(2) | Comments(10)

「きのふの是はけふの非なるわが瞬間の感触を、筆に写してたれにか見せん」(森鴎外『舞姫』) HNは”Excalibur(エクスカリバー)”


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