『ニューオーリンズ・トライアル』(2003)
2007年 09月 11日
原作はジョン・グリシャムの『陪審評決』。ただし原作での設定はタバコ訴訟だったが、映画ではこれが銃規制問題に変えられている。
この改変が原作の味を損なうのではという危惧もあったが、見終わって全く違和感はなし。土台がしっかりとした物語は、少々のことでぐらついたりはしないものだ。
またもう一つの柱である陪審制度の問題、こちらは原作の要素をしっかりと掬い取っている。実際に陪審員への脅迫や買収が行われているかどうかはさておき、そう思わせるだけのリアリティは感じられた。日本でも裁判員制度が導入されれば、あながち他人事とは言っていられないだろう。

ただ毎度思うことだが、こういうディスカッション・ドラマだとやはり字幕スーパーは不利。日本語吹替の方がお勧めだ。
ところでこの作品、原作も映画も原題は”RUNAWAY JURY”。直訳すれば”逃げる陪審員”で、原告側と被告側で票の取り合いをすることを指しているのだろうけれど、陪審制度に馴染みの薄い日本で原作小説が『陪審評決』という邦題になったのはわからないでもない。
しかし映画版の『ニューオーリンズ・トライアル』という邦題は全く意味不明。確かに舞台となっているのはニューオーリンズだし、審判(トライアル)が行われるのもニューオーリンズ。しかしこれでは最早別物だ。
更にビデオ&DVD化に際して『ニューオーリンズ・トライアル/陪審評決』と改題。最初からそうしておけば、原作ファンにもアピール出来たものを・・・。

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なぜかこちらからのTBが未送信になってしまうので、当方の名前に記事のリンクを貼って送信させていただきますね!
この作品、少し難しい内容でしたが、こんな職業があることも驚きでしたし、何よりキャストが秀逸でしたね!
またよろしくお願いします。
えーん、なんでTB受付してくれないんだろ???
それはさておき、この作品、製作が発表されてから実際に映画になるまで、結構時間が掛かったんですよね。
最初はジョン・キューザックとジーン・ハックマンの組み合わせではなく、エドワード・ノートンとショーン・コネリーが予定されていたはず。
コネリーはともかく、原作読んだ時にエドワード・ノートンはイメージだなぁと感じていたので、そちらのヴァージョンも観たかったものです。

検察官と弁護士が丁々発止とやり合う場面など、セリフにこめられた情報量とテンポが命!
となると、やはり字幕は不利ですね。
劇場でも吹替版で公開すればもっと楽しめたんじゃないかと思いますが、それじゃお客は入らなかったのかも。

エコーさせてもらったんだけど「敬愛なるベートーヴェン」も送ってしまったので
消しておいてください(^^;
この作品は原作も読んでいるんだけどタバコが大嫌いなので出来れば映画も
原作どおりタバコ産業を訴えてほしかったです。
先に製作されたマイケル・マン監督の『インサイダー』がタバコ訴訟を扱っているので、こちらは変更になったという話ですが、原作通りで堂々と勝負して欲しかったな、という気持ちはありますね。
ただ原作を知らない人が観ても、その改変がわからないと思われるアレンジの仕方は見事でした。

DVD持ってますが、未だに吹替では観てません。
吹替キャストも悪くないので、いずれじっくりと楽しみたいと思います。
そういえばこの作品以降、グリシャム作品の映画化がなかなか実現してないのが残念なんですが。