『オズの魔法使い』 ライマン・フランク・ボーム
2007年 09月 13日

劇団四季のミュージカル『ウィキッド』は、この『オズの魔法使い』の前日譚、というか外伝ということになっています。
そこでミュージカルを観に行く前にこの原作本を読み直すか、あるいはジュディ・ガーランド主演の映画版を観直そうと思っていたのですが、本の方はどこへしまいこんでしまったのやら探しだすのに豪く手間取ってしまうし、映画版はどうせならDVDを買おうかなと思っていると、<スペシャル・エディション>の価格が下がって再発売の予定があることがわかり・・・という具合に結局間に合いませんでした。
そこで、原作と映画それぞれを中途半端に思い出しながらの観劇となってしまったのですが、記憶があやふやだったために大変な欲求不満に陥ってしまっておりました。これでようやく溜飲が下がった思いです。
以前この本を読んだ時は中学生だったか高校生だったか、多分大学に入る前だったかと思うのですが、その時はこれといって印象に残るものではありませんでした。ごくごく普通に名作モノだから読んだという感覚で、「まぁ面白かったね」程度の記憶しかないのですが、今回の再読では何だか妙に面白く、最近にしては珍しくほとんど一気に読み終えてしまいました。これまでに何回か読み直そうかと考えていたことがあるのですが、本当に勿体無いことをしたなぁという感じです。最も今だから面白く感じられるのであって、それより前では最初に読んだ時と同じような感想しか抱けなかったかも知れないと考えると、本との出会いもタイミングというものが大事なのだなと思えます。
今回の再読での再発見としては、意外に残酷な、というか殺伐としたシーンがあるのだなぁということです。
表現は比較的穏やかですが、木樵りはヤマネコやオオカミをバッサリと切り捨てますし、ドロシーにしても、意図的ではないにせよ魔女をやっつけるシーンは友好的とは言いかねるものですし、かかしやライオンも案外暴力的だったりもします。それでも物語全体が殺伐とした雰囲気になっていないのは不思議なものですね。
最後に『ウィキッド』との関連ですが、この物語をベースとして考えるとかなり無理があるなぁと改めて感じました。そちらにもかかしやブリキ男、ライオン、空飛ぶサルなどが出てきますが、その出自はこちらとは全く別のものです。二人の魔女が友情に結ばれる件はまだ許容範囲ではありますが、やはり前日譚や外伝と呼べるものではなく、物語を違った観点で眺めれば、こういう解釈も可能なのだよというパスティーシュとして楽しむべきものでしょうね。

こんばんは!劇団四季のファンtomoと申します。このたび、いろいろなブログから劇団四季に関するクチコミのサイトを作りました。こちらのブログもクチコミのどこかにいれさせていただいております♪(ページ数が多いので探すのが大変かもしれませんが)事後報告で失礼いたします。またブログを訪問させていただきますね。今後ともよろしくお願いいたします。... more

こんばんは!トラックバックから失礼します。このたび、いろいろなブログから劇団四季のウィキッドに関するクチコミのサイトを作りました。こちらのブログもクチコミのどこかにいれさせていただいております♪(ページ数が多いので探すのが大変かもしれませんが)事後報告で失礼いたします。またブログを訪問させていただきますね。今後ともよろしくお願いいたします。... more