『知られざる日本の恐竜文化』 金子隆一
2007年 09月 14日
じゃ何について書いてあるのかというと、それは日本における恐竜を取り巻く周辺事情。世界の中でも日本はかなり特異な存在らしく、毎年のように恐竜博が開催されたり(あ、今年はありませんでしたね、残念)、図鑑など絶え間なく出版され続ける恐竜に関する書籍、一大ブームを巻き起こした食玩を始めとするグッズ類ナドナド、他の国には見られない現象なんだそうで。
ではそこには巨大な”恐竜マーケット”とでも呼べるものが存在しているのだろうか?――ということを考察しているわけです。
結論からいうとそんなものは幻想で、にも関わらずその実像・実態が理解されていないために新規参入は後を絶たず、パクリや粗製乱造が横行し、無理解が広まり・・・という状況は、正に恐竜ジャーナリズム瀕死の状態。一応恐竜ファンの端くれとしては哀しいですねぇ。まぁそんな自分もマスコミの大量消費に乗っかってるだけの存在な訳ですが・・・。
ゴジラなどの巨大怪獣と恐竜との関係、恐竜オタクや恐竜学者の生態観察(?)等々、これまで取り上げられなかったテーマだけに読み応えタップリです。
ちなみに著者はサイエンス・ライターとして何冊もの著書のある人ですが、その昔『宇宙空母ブルーノア』でSF考証なんぞをやっていたことを覚えております(笑)。
恐竜マーケットが巨大なんでしょうな。
>わらずその実像・実態が理解されていないために新規参入は後を
>絶たず、パクリや粗製乱造が横行し、無理解が広まり・・・
ワタシらのような学術的に考えるマニアとしては悲しい限りです。
復元模型を作るにしても、せめて海洋堂の松村しのぶ造形師のように、
骨格から筋肉のつき方を考証して作る位はして欲しいものです。
そういえば恐竜から進化した人間、みたいなイラストがありましたね。
しかもあれ、目撃された宇宙人像のようでもあり・・・あ、なんか違う方向へ話が行きそうだな(笑)。
これらの警鐘を、関係者は真摯に受け止めて欲しいものですが・・・無理だろうな。
金子さんの恐竜本っていっぱいありすぎて、結構スルーしちゃうんですよね。
昨日、ようやく購入できました。
じっくり読んでみます。
とはいえ、入院中の未読の本がまだたっぷりあるんですよねぇ。
お気に召すと良いんですけど・・・(苦笑)。
私も第一段階未満の恐竜ファンですけど、この本で論じられる恐竜学(?)って科学的側面と文化的側面が同列に語られていて難しかったです。
なんだかんだいって他の自然科学の分野よりもかなり趣味的な世界なんだなと思いました。
プロの古生物学者にあれほどマニアが多いとは・・・
科学雑誌もあまり売れないこの状況で恐竜はかなり健闘している方だと思います。
いらっしゃいませ。
恐竜発掘のドキュメンタリー番組なんぞを幾つか見たことがありますが、そこに出てくる学者センセイの皆さんが、みんな楽しそうなのが印象に残ってます。
中には一般的な学者のイメージ(?)とは違い、かなーりクレイジーに思える方も・・・。
他のジャンルにもそういう方はいらっしゃるのかも知れませんが、やっぱり”恐竜”というのは特別なのかも知れないなあという気がしています。