<月曜ドラマランド>版に続く、
宇宙刑事となった鬼太郎の活躍を描く第二弾!!(違うって)
東映初の本格的ビデオ用新作特撮ドラマで、今回は同じ水木しげる原作の
『悪魔くん』とのWヒーロー物になっている。
この作品の前に同じ<月ドラ>枠で『悪魔くん』の新作が作られていたけれども、そちらはコメディタッチということでファンの評判はイマイチ。
こちらの方が正統派ということになるのかな。
そしてこのビデオ映画のオープニングに流れているのは、かつての
TV版『悪魔くん』のオープニング曲だ。
お話はというと――

鬼太郎の元に、親友・悪魔くんからの手紙が届いた。
桜の精・桜子に恋した担任の星先生が、桜子に精気を抜き取られてミイラ人間と成り果て、行方不明になってしまったという。
そこで先生を捜すために力を貸して欲しいというのだ。
早速、子泣き爺いや砂かけ婆あ等と先生を捜し始めた鬼太郎の前に、妖怪軍団が立ち塞がる。
そしてその背後には、妖怪総大将ぬらりひょんが…!
<月ドラ>版から二年を経過しているので、スタッフは続投している人も多いけれどキャストは総入れ替え。
子泣き爺いは不破万作に、砂かけ婆あは奥村公延になり、小林義明監督のお気に入りで<月ドラ>版では妖怪を演じていた汐路章とうえだ峻の二人が、それぞれぬらりひょんとねずみ男へと出世(?)しているのが面白いけど、ちょっと小粒?
デビュー間もない若村麻由美が桜子を、余貴美子が濡れ女を演じ、妖艶な魅力を振り撒いているのは、子ども目線では作られていないという目配せだろうか(といっても当時は全くといって良いほど印象に残らなかったのだけれども)。
原作者の水木しげるは今回も霊界郵便配達夫として特出しているが、前回よりも出番が多く、それがアクセントとして使われるなど重要度が増した。
そして星先生役で特殊メイクもものともせずに熱演していた吉田淳は、かつて『宇宙刑事シャイダー』の最終候補に残った一人。
結果、主役の座を逃したものの、今度は敵方フーマの神官ポー(女性!)を怪演。
一躍注目された人だ。
<月ドラ>版に比べると尺が短いせいか、全編アクション中心。
それが悪いとは思わないけれど、もう少しお話の運びにゆとりが欲しいし、ファンが望む「鬼太郎」像とは随分かけ離れたものになっているんじゃないかな。
悪魔くんもメフィスト(演じるのは市川勇。旧作では吉田義夫や潮健児が演じたキャラだ)も完全なゲスト扱いで、むしろこの二人がいない方が、お話はスッキリとまとまっていたかも知れない。
どっちが面白いかと問われれば、僕は<月ドラ>版を推しておく。
ところでこの作品のBGM、基本的に<月ドラ>版の流用なんだけれど、そこで「鬼太郎笛」として使っていた曲をそのまんま「ソロモンの笛」として使うのは手抜きし過ぎ。
両方見ると混乱するじゃないか。