1957年のアメリカ。
母親と二人で暮す少年ホーガースは、頭が良くて飛び級してしまったために、友達のいない孤独な少年。
そんな彼はある晩森の中で、隕石のように落下してきて記憶をなくした鋼鉄の巨人と出会い友情が芽生える。
しかしある事件をきっかけにこのロボットの存在が町に広まり、ロボットが他国からの侵略兵器ではと疑うエージェントによって、遂には軍隊が出動してしまう。
実はこのロボットは攻撃を受けると、自動的に恐るべき殺戮兵器と化してしまうのだ。
はたして彼ら二人の友情の行方は…?
大の大人が号泣必至、という評判を先に聞いてしまったために期待が大きすぎたので、涙、涙…とはならなかったが、素敵な小品である。
友達を必死で守ろうとするホーガスの姿、そして友情と任務の板挟みになって苦悩するロボットの姿には思わず涙腺が緩む。
『E.T.』あたりと共通するベタな展開ではあるが、かつてロボットに夢中になった男の子の心を残している人ならば素直に楽しめるだろうし、余計な登場人物もおらず、奇をてらうことないストレートな物語は、『ドラえもん』などが好きな女性にもお薦め。
ラストがハッピー・エンドなのも嬉しい。
本作のヒロインといっていいのがホーガスのお母さんだが、彼女が若くて実にチャーミング!
アニメーションではなかなか見ないタイプの女性キャラだ。
次回作
『Mr.インクレディブル』でも、インクレディブル夫人であるイラスティガールが魅力的だったことを考えると、これは監督の趣味の問題なのかも知れない。
そしてホーガスを手助けするのが、クズ鉄屋兼芸術家のボンクラ青年(いわゆるヲタク系のキャラ)というのも新鮮で、やっぱりターゲットは
純粋な男の子じゃないのかなぁ。
原案・監督はブラッド・バード、原作はテッド・ヒューズ、脚本:ティム・マッキャンリース、音楽は数年前に若くして物故したマイケル・ケイメンが担当。
なお、オリジナルのヴォイス・キャストはジェニファー・アニストン、ハリー・コニックJr.、ヴィン・ディーゼル、クリストファー・マクドナルド、ジョン・マホーニー、イーライ・マリエンタールという顔触れだが、日本語版は日高のり子、井上和彦、郷里大輔、大塚芳忠、池田勝、進藤一宏らが配され、これは甲乙つけ難い。
ただ
『ライトスタッフ』もそうなのだが、ソ連が人工衛星スプートニクを打ち上げ、アメリカ人が頭上に脅威を感じているという時代背景(アイアン・ジャイアントをデザインしたジョー・ジョンストンが監督した
『遠い空の向こうに』も同じ)は、どうにもわかりづらい。
これが理解出来ればもっと作品を楽しめるのだろうが残念である。