『仮面の男』(1998)
2007年 10月 06日

<ダルタニャン物語>は第一部が有名な『三銃士』、第二部が『二十年後』、そして第三部が『ブラジュロンヌ子爵(十年後)』と三部構成の大長編物語なのである。
日本ではこの手のコスチューム・プレイは当たらないと敬遠されがちだったが、『タイタニック』が大ヒットした直後という公開タイミングだったことも手伝って異例のヒットに繋がった。恐るべしはレオナルド・ディカプリオのパワー、というよりレオ・ファンの女の子のパワーと言うべきだろうか。
但し太陽王ルイ14世とフィリップの双子を演じたディカプリオの頑張りよりも、映画を見終わって印象に残るのは脇を固めるダルタニャンと三銃士たちを演じるベテラン俳優たちで、殊に事実上の主役であるダルタニャン役のガブリエル・バーンが光っている。他にも何か裏のありそうなアラミス役のジェレミー・アイアンズや、実直なアトスを演じたジョン・マルコビッチ、それに天然児そのものといえるポルトスを演じたジェラール・ド・パルデューといった渋い面々が顔を揃えているが、バーンには一歩譲っている。原作を想定するならばバーンはかなりイメージが違うのだが、原作にはない設定を与えられ、役回りが大きく変化した新たなるダルタニャン像には見事にハマっている。ただ、フランス文学を代表する傑作の映画化にしては、フランス人俳優がド・パルデューだけなのは少し寂しい。

例えばルイとフィリップの出生の秘密にダルタニャンを絡ませたり(余談だが原作ではフィリップが兄、ルイが弟であるが、本作では何故か逆になっている)、ラウルとクリスティーヌ(原作のルイーズ)のエピソードをあっさりとまとめたり、フーケやシュヴルーズ夫人ら重要な人物を割愛したり、と枚挙に暇がないが、最大の改変はやはりルイとフィリップに訪れる結末が、原作とは全く逆であることだろう。これにより幾分かハッピーエンドになったのはハリウッド風と言えるが、原作の持つ独特の香り、重み、悲劇性といったものが損なわれてしまったのは如何なものだろうか。
ただ「仮面の男」とは鉄仮面を被せられて育ったフィリップのことではなく、心に仮面をつけていた(と解釈される)ダルタニャンである、とする映画の流れからすれば、この改変は一貫性を持ったものだとの断言は出来る。フィリップに感情移入して見ていた観客には違和感なく受け入れられるだろう。

レオに萌える―【story】17世紀、絶対王制のフランスに君臨する若き国王ルイ14世(レオナルド・ディカプリオ)は、飢餓で苦しむ国民をよそに、度重なる戦争を行い、権力と贅沢に酔っていた。前国王に忠誠を誓った三銃士アラミス(ジェレミー・アイアンズ)・ポルトス(ジェラール・ドバルデュー)・アトス(ジョン・マルコビッチ)と、ルイ14世に仕えるダルタ二アン(ガブリエル・バーン)は、暴君である現王の姿に胸を痛めていた。やがて三銃士は、国家存続のために、牢獄に閉じ込められている『仮面の男』を救出し、かつてない陰謀...... more

仮面の男 監督:ランドール・ウォレス 原作:アレクサンドル・デュマ 出演:レオナルド・ディカプリオ、ジェレミー・アイアンズ、ジョン・マルコヴィッチ、ジェラール・ドパルデュー、ガブリエル・バーン... 「静と動 繊細と大胆 優しさと激しさ 今あなたは`..... more

話が読めるストーリーでしたが、 こういう中世の映画って神秘的で好き~。 ディカプリオもはまっていたし、 四銃士もかっこよかった(*^_^*) ★★★☆☆ THE MAN IN THE IRON MASK '98年 レオナルド・ディカプリオ目 次... more
中世ヨーロッパの映画って、雰囲気からして好きです(*^_^*)
デュマ原作の面影は・・・あまり残ってないなぁ。
この映画は大好きです!
レオの演技も素晴らしいですし、四銃士のオジ様たちも魅力的でした。
音楽も名曲揃いですし・・・何度観ても惹き込まれます。
『心に仮面をつけていた(と解釈される)ダルタニャン』―ここの流れが良かったですね~
物語が締まったと思いました。
特に奇をてらったわけでもないこの手の映画を最近みない気がします。
時々10年位前の映画が懐かしくなるわ~
ただ、原作のファンとしてはちょっと複雑な心境でもありますね。
まぁこれが初めての映画化というわけではないので、色々ヴァリエーションがあっても許せるかな、というところなんですが、これが唯一の映画化作品だったら激怒していたかも知れません(苦笑)。