『大統領暗殺』（2006）

2007年10月19日、ブッシュ大統領が暗殺された、という想定で展開される偽ドキュメンタリー・ドラマ。

ブッシュ大統領やチェイニー副大統領らの姿は既存のニュース映像などを加工して使い、これに事件現場や関係者の証言などの新たに撮られた映像とを組み合わせ、あたかも実際に暗殺事件が起ったかのようなリアリティを表出。

元大統領顧問や元ＦＢＩ鑑識捜査員、元大統領警備主任、ＦＢＩシカゴ支局員、担当医師、元ホワイトハウス担当記者、そして容疑者たち…

インタビューに登場している架空の人物は勿論俳優が扮しているわけだが、これも無名の人たちなだけに余計臨場感を増す結果になっている。

そして真犯人探しのサスペンス。

ポリティカル・フィクションとしては一級の仕上がりではないだろうか。

悪ふざけが過ぎると批難する声も多いが、ブラックユーモアとして楽しむだけでなく、「９・１１」以後の世界を考える上でも重大な作品だ。

ブッシュを支持する人も批判する人も等しく見るべきだろう。