『シャーロック・ホームズの事件簿』 アーサー・コナン・ドイル
2007年 10月 22日
コナン・ドイルが亡くなる三年前に書かれた最後の作品を含む短編集で、ホームズ全集最後の単行本となったのが、この『シャーロック・ホームズの事件簿』だそうです。

ホームズ物といえばワトスンの一人称で語られる物語、というのがお決まりのパターンですが、珍しくホームズの一人称で書かれたものや三人称で書かれた作品もあるので、どことなく従来とは雰囲気が違います。ただホームズ物もこれだけ作品があるのだから、たまには目先を変えるのも悪くはないと思いますが、何となく結末もあっさりとしていて盛り上がりに欠ける印象も残るのは、さて文体のせいでしょうか、それともプロットの問題なのでしょうか。
さて、光文社文庫の<新訳シャーロック・ホームズ全集>もこれで8巻目。いよいよ残すところは長編『恐怖の谷』のみです。刊行予定は来年1月。段々と寂しくなってきましたね。